ヌレッティン・ジャニクリ関税通商相は、「緩衝地帯」はシリア難民に対し、より安全な保護を与えるためだけの構想であるとしたうえで、「安全保障上の計画ではない」と話した。
(アドゥヤマン県)フェスハーネ市で行われた交流イベントに出席したヌレッティン・ジャニクリ大臣は、「緩衝地帯」論争に関する記者団の質問に答え、次のように述べた。
「現在150万人を超える難民がシリア、イラクから流れてきており、彼らの生活はトルコがまかなっています。私たちはこの役目を、正義感をもって行っています。あれほど多くの人々を追い返すことはできません。より良い保護のため、さらに濃密な戦略とモデルを組んでいく必要があります。緩衝地帯は、ただ私たちの同胞たちに対してより健全な保護を保証するためだけのものです。実用的な計画であって、安全保障上のものではありません。どのくらいの規模か、どの地点から何キロメートルぐらいのものになるかはまた別の問題で、さらなる専門的な議論を必要とするものです。もちろんこれは私たちが単独で達成できるような計画ではありません」
■国際社会へ呼びかけ
ジャニクリ大臣は、国際社会もこの計画を後押しする必要があると話す。
「なぜならこの問題はトルコだけの問題ではないからです。もちろん私たちの国境における問題であり、実際、今この時も私たちはこの問題をありありと体験し、生々しく感じています。しかしこれは関係地域諸国だけではなく、世界全体の問題でもあるのです。したがってこの目的を目指す計画を実現させるため、国際法の観点からも、またあらゆる国々を悩ますこのような問題を取り除くためにも、世界各国のサポートが必要なのです。我々の取り組みが理解されるだろうと、私たちは確信しております。右往左往せず、真の目標・目的を説明することができるだろう、いや、もう説明できたと考えております。国際社会が必要なサポートを惜しまず、この問題が手遅れになる前に、これ以上の犠牲が出る前に、今ここで歯止めをかけ、修復できることを願います」
■緩衝地帯はどこ
「緩衝地帯は、国境のどのラインにつくられるのか」という記者の質問に対し、ジャニクリ大臣は次のように答えた。
「それは非常に専門的な問題ですね。私たちが考える基準では、難民の兄弟が安心して暮らせ、安全を保障することはもちろん、最も良い物流サービスを提供できる地点を緩衝地帯とする予定です。地理的条件がさまざまに影響し合っているので、一つのラインでここだと言い切ることはできません。こうした理由から、現地で行われる一つ一つの調査の結果として一定の地域が緩衝地帯として浮上してくることになります。結論が出るまで、綿密な調査が行われなければなりません。さまざまな専門家のみなさまと連携し、緩衝地帯の長さ・深さを決定していきます。もし可能なら、全世界一体となってこの問題を解決することができれば、と考えております」
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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:35421 )