なぜ「イスラーム国」はコバーニーの制圧を追求するのか
2014年10月02日付 al-Hayat 紙


■なぜ「ダーイシュ」はコバーニーの制圧を追求するのか

【ベイルート:本紙】

「イスラーム国」(ダーイシュ)は、「アイン・アラブ」の名で知られるクルド人地域、コバーニー市周辺に迫っている。同市はアレッポの北部郊外に位置し、ダーイシュの戦闘員はそこから2キロメートルの距離に到達した。

ダーイシュは数週間前から同市の制圧を目的とした攻撃を開始しており、それは戦略的と思われ、およそ20万人のシリア人難民を招いた。国連によれば、これは同市が激しい戦闘から比較的離れており、ダーイシュの戦闘員による虐殺、殺害の行為から逃れたためである。

「ダーイシュ」は、トルコ・シリア間の国境の支配を強化するために、コバーニーの制圧を求めており、既に同地帯の60の村を制圧している。しかしながら同組織は、クルド民主統一党に属する「人民防衛隊」の戦闘員らによる激しい抵抗に直面している。その際、対テロ国際有志連合の航空機が、同市を包囲するイスラーム国(ダーイシュ)の複数の集団への攻撃を開始した。

「シリア人権監視団」のラーミー・アブドゥッラフマーン所長は以下のことを明らかにした。「「ダーイシュ」の戦闘員はコバーニーから2キロメートルの距離にまで到達した。クルド人の戦闘員が抵抗を続けることができるのかという疑問を踏まえ、同市はダーイシュの戦闘員が市内に流入しうることへの恐怖のただなかにある。」

コバーニーを制圧できれば、ダーイシュは、ラッカ県につながるさらなる領土を手に入れ、対トルコ国境へと到達するだろう。それによって彼らは、トルコ国境近隣でのさらなる増員、送金の簡易化、兵器の入手というに利益を得るだろう。トルコの領土内での移動が容易になるためである。またこれによって、同組織は、ハサカとアフリーンという二つのクルド人地域の間にある国境検問所の制圧を可能とし、それら二つの地帯を孤立させることで制圧を容易とする。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:細谷文乃 )
( 記事ID:35475 )