「トルコのEU加盟」,2014年進捗レポートのなかみは?
2014年10月09日付 Milliyet 紙
進捗レポートでは安定した言葉が注意を引く一方、解決プロセスが支持された。最も批判された点は国家諜報機構(MİT)法、司法の独立性と集会の権利であった。
EU委員会はトルコの2014年進捗レポートと戦略文書を承認した。昨日発表されたレポートで特に解決プロセスと個別の申請に関する称賛が述べられる中、最も批判を受けた点は司法の独立性と裁判官・検察官高等委員会と国家諜報機構の法改正であった。国家諜報機構に対し盗聴録音、監視問題に関して4月に司法の決定を得ずに与えられた捜査権限のために「ヨーロッパの基準に反する」とされる一方、憲法裁判所はその「抵抗」によって称賛された。以下が評価である。
■解決プロセス
クルド問題の解決を目的とするプロセスは続けられた。EUはこのプロセスへの支持を拡大し、全ての面から更なる貢献を支持した。6月11日にトルコ大国民議会で承認された法律は解決プロセスの基礎を強化し、トルコでの人権保護と安定への積極的な貢献を行った。
解決のために選択肢が広く、自由に話し合われた。5月に行われた法改正により、地方選挙と総選挙においてトルコ語以外の言語で政治的プロパガンダが行われることが可能な状態となった。得票率が3パーセントを超えた党へ国からの援助が保障された。私立学校における母語での教育が認められた。クルド語のX、Q、Wの文字の使用に対する刑罰が撤廃された。
■国会と新たな憲法
国会が法を制定するという本来の機能は、続いている対話の不足と諸党が互いに譲歩に意欲的でなかったことから滞った。
AKPが提出したインターネット、司法、塾・私塾の閉鎖と国家諜報機構に関連する法律は、国会でのきちんとした話し合いが行われないまま、関係者と市民団体に相談されずに通過した。
政治的諸党の調整における言語や基金のような分野を含んだ前進は歓迎された。しかしヨーロッパの基準と完全に一致していなくてはいけない。
憲法改正プロセスが中断したことが明らかになった。個人情報保護、軍事司法、男女平等の適用を認める法律の承認において進展がなかったことが明らかにされた。今後の取り組みにおいて民主主義的で包括的なプロセスがたどられる事、ベニス委員会へ相談することが提案された。
■市民社会団体
トルコでは活動的な市民社会団体の発展が続いた。内務省はいくつかの重要な改革において市民社会団体の活動家らに相談した。しかし一時的な相談のほかは市民社会団体が法的、政治的生産プロセスで活動的な役割を担うことを保障する構造化された参加のメカニズムはない。
■贈収賄との戦い
2013年12月の(4人の閣僚に向けた)贈収賄疑惑捜査は、透明で公正な形で捜査される事へ関して深刻な不安を生んだ。トルコは2014年度以降贈収賄に反対する戦略を取り入れるか取り入れないかを決定すべきである。
■人権とマイノリティー
人種差別主義、排外主義、反ユダヤ人主義、非寛容と戦い、平等を奨励する団体がつくられるべきである。
人権侵害デモ計画と多くの新聞記者の自由を保障する拘留期間の短期化され、前向きな一歩が踏み出された。これに対して表現の自由をさらに制限する法律が承認され、実際に報道の自由が制限された。
集会の権利と警察機関の干渉に関する法律はヨーロッパの基準ではなく、2013年6月7月のデモ(ゲズィ公園)で過度の催涙ガスを使用した警察へ一貫した、緊急の刑が適用されるべきである。
‘一般道徳’、‘トルコ家族構造’、‘国内安全’、‘公共の治安’のような文句が集会の自由を阻止するために当局によって何度も使われている。
トルコはデモ時に均整のとれた力の使用のために明確な、結びつきのある規定を取り入れるべきである。この規定は欧州評議会の拷問禁止委員会勧告と欧州人権裁判所の決定と一致していなくてはならない。
ジェムエヴィの認知が進むことにより、多くの苦情がなくなる可能性がある。
シリア人を除いてマイノリティーの宗教家の養成が阻害されている。
1990年の殺人とともに、最近行われた殺人で責任者が刑に処される事について不備をなくす法的改正が行われるべきである。
難民と難民申請者に対して法整備において重要な前進が保障された。
■メディア
政府関係者たちはメディアに関して制限する効果を与える発表を行い続けた。この状況とトルコのメディア部門における所有構造はメディアで広まっている自粛や新聞記者の辞職や解雇の原因となった。
<後略>
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:竹田史佳 )
( 記事ID:35518 )