トルコ系国会議員、「ISISはドイツのイスラムフォビアを増長」
2014年10月10日付 Radikal 紙
ドイツにおいてトルコ人移民の多い地域であるノルトライン=ヴェストファーレン州(KRV)緑の党選出のアリフ・ウナル国会議員が、ドイツを筆頭にヨーロッパで近年多発しているモスク襲撃事件に関して、あたかもヒトラーの時代を彷彿とさせると発言した。
アリフ・ウナル国会議員はデュッセルドルフの連邦州議事堂で会見を行い、イスラムフォビアが近年増長したこと、またこれが民主主義国家であるドイツに似つかわしくないことだとし、次の様に語った。
「近年、本当にドイツやヨーロッパの他の国々においてモスクへの襲撃事件が増えたが、これは新しい出来事ではない。ドイツではイスラムフォビアという思想、つまりイスラムへの敵対心は常にあった。しかし残念なことに、世界の様々な場所での出来事はドイツ国内に直接反映する。例えば、最近のイラクやシリアにおける「イスラム国」が現地で起こした所業が全てのムスリムの所業とみなされており、これがイスラムフォビアを支持する助けとなってしまった。国粋主義者のグループは残念なことにこういったことをしているのである。調査の結果はまだ出ていないが、最初の推測の時点でこれらが外国やイスラムに敵対するグループによって行われているということがほぼ確実である」
■ヒトラー時代を彷彿
ウナル国会議員は、この問題の解決は政治家やNGOに大きな責任がかかっていると述べ、次のように続けた。
「もちろんこれはただモスクに向けて行われた襲撃事件ではない。民族的出自や宗教によってあるグループが疎外され、抹殺に至ることもある外国人への敵対に見舞われていることは、実を言うとこの国の民主主義の問題なのである。なぜならここでは、どの宗教グループであろうと、今日はモスクへ、明日はシナゴーグへ、明後日は教会への襲撃事件が起きてもおかしくないからだ。
宗教に基づいたこの余所者への敵対心に対し、本当に社会全体として反対すること、その様な思想が民主主義の国家では居場所がないということを明確にする必要がある。そういった意味でこの状況が再びドイツで起きていることはとても悲しいことだ。ヒトラーの時代を彷彿させるような状況となっている。以前はシナゴーグが襲撃され放火されていたが、今ではモスクに対して行われている襲撃に対し断固として反対する必要がある。政治家やNGOはこれに対し反対であるという意思を示すべきであり、そしてそれが支持されなければならない」
■ドイツにおけるサラフィー主義者は約6千人
ドイツ・ベルリン議会での質疑に対する回答によると、首都ベルリンでは550人のサラフィー主義者が住んでおり、彼らのうち250人は過激派である。今日まで合計60人のサラフィー主義者が戦いを目的にベルリンからシリアやイラクへと向かった。
ビルト新聞の報道によると、ドイツ全体では6千人のサラフィー主義者がおり、今日までドイツから450人のサラフィー主義者が戦争に参加するためにシリアやイラクへ向かったと推測されている。ドイツにおけるサラフィー派グループの間には元ボクサーのピエール・フォーゲル氏やラップ歌手デソ・ドッグ氏といった名前もある。サラフィー派がドイツで行った最も大きな活動としてはドイツ語訳のコーランを2500万部配布したことがあげられ、先月もヴッパータールにおいて「シャリーア警察」と名乗るサラフィー派の集団が娯楽施設の前で若者に向かって賭博、飲酒、娯楽は(宗教的)タブーであると語り、大きな抗議を呼んでいる。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:入口 愛 )
( 記事ID:35538 )