コバーニーからの「避難」民、一部国外追放、一部身柄拘束
2014年10月14日付 Radikal 紙
イスラム国(ISIS)から逃れてトルコにやってきた273人のうち63人が昨晩(13日)午前2時にコバーニーに戻った。人民の民主主義党(HDP)シュルナク県選出ファイサル・サルユルドゥズ国会議員は、63人が国外追放されたと主張したが、シャンルウルファ県当局は63人が自らの意思でトルコを去ったと述べた。人民防衛隊(YPG;シリア・民主統一党の武装組織)メンバーになりうるという理由で、現在149人が身柄を拘束されていると述べるシャンルウルファ県当局は、彼らに関する捜査は続いていると発表した。
コバーニーに向けたISISの攻撃から逃れてきた者のうちYPGメンバーだとされる者は、再びシリア側に送還されている。コバーニーからトルコにやってきた273人のうち63人が昨晩(13日)午前2時に国外追放された。
HDPシュル ナク県選出ファイサル・サルユルドゥズ国会議員は、8日間にわたってコバーニーからの避難者273人がスルチにある体育館で事実上身柄を拘束され、そのうち63人が昨晩(13日)国外追放されたとし、「彼らはYPGと関係があるという疑いによって8日間身柄を拘束されている。昨日(13日)、このうち63人がコバーニーに送還された。しかし彼らはISISの残虐行為から逃れてきた一般市民である。彼らの一部は今もなお身柄を拘束されている」と述べた。
■「8日間にわたる事実上の身柄拘束」
同議員は、コバーニーから新たにやってきた273人のグループはまずスルチにある学校に収容され、その後、体育館に移送されたと述べ、事態を次のように話した。「コバーニーからトルコにやってきた273人は事実上スルチにある体育館で8日間にわたって身柄を拘束された。 YPGと関係があるとされたために、彼らは体育館の外に出られなかった。彼らを釈放するよう県当局と話し合った。県当局は昨日(13日)彼らの処遇が閣議で協議されると言った。昨夕、閣議終了後、再び県当局と話し合った。県当局は彼らを国外追放する方向で決定がなされたと伝えた。この決定に驚いている。なぜなら、一般市民であるからだ。ISISの残虐行為から逃れてきた人々だ。中には老人や子供もいる。」
■「誰かが戻らなければならない」
サルユルドゥズHDP議員は、県当局との取り決めの結果、63人が有志としてコバーニーに送還されたとし、次のように続けた。「63名に関して多くの調査が行われた。その結果、YPGとの関係がないとわかっても、彼らを再び送還したがった。県当局と再度話し合ったが、いずれにせよ誰かが戻らなければならないと言った。我々はコバーニーからやってきた同胞とも会った。希望者は戻れると伝えた。人びとはこの状況に非常に立腹した。しかも、『こんな目に遭うなら戻ってISISに殺されたほうがましだ。こんな屈辱を受けるくらいならコバーニーで死ぬ』と言った。有志の63人が昨晩(13日)午前2時頃、コバーニーに戻った。残った者たちは今もなお身柄を拘束されている。」
■「ゴミは8日間収集されていない」
身柄を拘束されているコバーニー市民の中には怪我人もいるとして、さらに次のように述べた。「政府は彼らに異なったイメージをつくろうとしている。彼らをYPGの武装戦闘員や幹部であると想定している。彼らの多くはこの事実上の身柄拘束に反発し、ハンガーストライキを始めた。大多数は疲弊・困憊している。怪我人の状態は悪くなっている。負傷部分が炎症をおこしている者もいる。ここのゴミは8日間も収集されていない。ゴミは室内に溜まっていっている。体育館の庭には100人を超える警察官がいる。現在、起こっているこの事態はまさにスキャンダルだ。この状況は国際法上の協定に反している。」
■「県当局曰く、逮捕ではなく監視」
シャンルウルファ県当局は、諜報関係者の情報により、10月6日にトルコに入国した273人がPYDの武装一派であるという可能性を理由に、彼らに関する行政監視の決定が下されたと述べ、この事態に関して次のような発表を行った。「2014年10月6日月曜日午後6時頃、当関係者(273人)がミュルシト・プナル国境門およびキュチュク・ケンディルジ村国境通過地点から本国に入国し、諜報上の調査で入国者らがPYD武装一派の一員である可能性が高いと判断されたことを受けて、身元確認および指紋登録手続きのためにまず科学高校体育館に収容され、その後の調査において6458号国際外国人保護法第54条(D)項および第57条により、また内務省(2015?)年10月18日付5683号法第23条により、行政監視の決定が下され、これにより当人たちは監視下に置かれた。」
■自らの意思で戻ったと主張
トルコにやってきたコバーニー市民のうち63人が自らの意思でコバーニーに戻ったとするシャンルウルファ県当局は、この事態に関して次のように説明した。「当事者のうち63人は自らの意思で本国を去り、自国に戻った。また61人は管理下におくとしてキャンプに収容された。この中には女性や子供は含まれておらず、現在監視下にある149人に関する調査は続いている。監視下に置かれている者に関する健康管理や必要な対応はおこなわれている。」
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:35567 )