レバノン:国連安保理が「ダーイシュ」、「ヌスラ戦線」の勢力伸長に警鐘
2014年10月16日付 al-Hayat 紙
■国連安保理は、レバノンへの「ダーイシュ」の危険に警鐘
【ニューヨーク:本紙】
国連安保理決議第1559号履行監視担当事務総長特使のテリー・ロード・ラーセン氏は「イスラーム国」(ダーイシュ)と「ヌスラ戦線」のレバノンへの勢力の拡大の危険性に警鐘を鳴らした。同氏はまた、昨日の安全保障理事会で、サイクス・ピコ協定の地図を提示し、「国境が脅かるようになった地域と切り離して、レバノンの現状に対して対処すべきでない」と安保理に訴えた。
ラーセン氏は昨日の非公式会議で、安全保障理事会に対し「レバノンにダーイシュが存在している証拠がある」と述べるとともに、それが、レバノン領に対して「シリア軍が行っている攻撃」や、「シリア難民の危機、シリアでのヒズブッラーの役割」に加え、レバノンへさらなる脅威を与える新たな要因であると指摘した。
同氏はまた、安保理に対し、現状が安保理の活動において重要であることを踏まえ、安保理全体でのレバノン訪問実施を求めた。さらに安保理は、「(中東)地域の他の当事者による後押しを通してか、レバノンへの国際的支援のための一連の行動を通じて、あるいは二国間レベルで」、大統領選挙の早急な実施のために「(中東)地域の当事者」との接触を行うべきだと促した。
ラーセン氏は、「レバノン軍への早急な支援提供の必要」を強調し、同軍へのサウジアラビアによる30億ドルの寄付を歓迎、フランスからの「援助の受け入れも既に開始した」という。
また、サイクス・ピコ協定と1920年のサン・レモ講和会議の地図を安保理で提示し、「ダーイシュがこれらの国境の安定を脅かしている」との見方を示した。さらにレバノン情勢への対処を、当該地域へのそれと分けることが無いよう訴えた。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:小池柊哉・高坂美帆・増澤奈央 )
( 記事ID:35577 )