賢人会議、クルド問題解決プロセスへ10の提言
2014年10月20日付 Milliyet 紙


アフメト・ダウトオール首相とドルマバフチェ宮殿の首相府執務室で三回会合した賢人使節団は、最近の状況進展に伴う(クルド問題解決)プロセスに関する不安や懸念に言及した提言をリスト化した。

賢人使節団は、プロセスに関する提言を10の項目にまとめ、あらゆる状況においても「停戦」を継続し続けることの必要性を強調した。同提言には、プロセスを監視するための三者機関を設立する必要がある強調された中には、オジャランとカンディル(PKK指導部)との会合も含まれていた。

ダウトオール首相は、賢人と関係閣僚が参加して開催された会議で発言し、あらゆる否定的な出来事が起きているにもかかわらず、誰もがどんよりとした雰囲気を変える必要があり、この点で賢人使節団の支援が必要であると語った。

ダウトオール首相は、「民主化と解決プロセスはいかなることがあっても継続する。解決プロセスは誰かを満足させる、あるいは喜ばせるためにおこなうものではない。満足させようとしているのは唯一つの集団である。それは、東西北南の全トルコである。解決プロセスにおける政治的決意は、ほんのわずかな途切れもない。実際に社会の幅広い層でこれらの事件が続いている中、マラティヤを訪問した。昨日はアマスヤにいた。サムスンへも行った。あらゆる人びとが『解決プロセスを継続しよう』と言っている。周辺的なあるグループを除き」と清浄な空気の下で未来への歩みを呼びかけた。同首相は、プロセスを維持することが必要であり、民主化の歩みを確固として継続し、解決プロセスは公共の秩序のひとつの選択肢であり、様々な問題が絡んだ問題ではないと発言し、賢人会議には重要な役目があると強調した。

■懸念に言及

ダウトオール首相が共通の良心という事実に注目した1時間続いたスピーチの後、集まった報道関係者に非公開の場で、賢人使節団は最近の進展に関する懸念に言及した。賢人使節団が発言をおこなった会見の主要なテーマは、最近の暴力事件及び社会的憤りであった。

賢人使節団は、(現在)起きていることがアナトリアで深い懸念を引き起こしていると指摘し、ロジャヴァとコバーニーでの出来事がプロセスに負の影響を与えていると表明した。賢人使節団は、政府側と人民の民主主義党(HDP)のプロセスに関する政策にも言及した。

賢人会議メンバーの一部は、政府の政策が正しいと強調する一方、HDPの方向も正しいと支持する者もいた。同会議は、オジャランの刑務所での待遇改善にも言及し、プロセスでオジャランの接見範囲を広め、カンディルとの会合の必要性を強調した。

■第三者機関の設立

賢人会議はプロセスに関する提言について以下の10項目を挙げた。

1 停戦を継続する。
2 オジャランの刑務所での待遇を改善し、(オジャランのための)事務所を設立する。
3 プロセスを監視するため「第三者機関」を設立する。
4 オジャランとの会合の機会を増やすことを保証する。
5 諸派と政府の発言を改善する。
6 否定的な言葉を用いない。
7 議会を活性化させる。
8 民間機関を活性化させる。
9 賢人使節団を再構築する。
10 社会的支援を強化する。

■予防拘禁は、欧州人権裁判所(AİHM)に適合

会議で多く議論された「予防拘禁」をはじめとする国内の治安改善に関連し、取るべき対策も議題にあがった。会議では、ダウトオール首相が(予防拘禁は)ヨーロッパで実施されていないものは導入されていないが、上司の許可を必要とすることで(乱用を)防止することを目的とする勾留権限が議題にあがった。(同首相 は、)その適用は欧州人権裁判所(AİHM)の判断基準に適合しており、悪用は許可しないと強調したことが明らかとなった。会議ではまた、PKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)の青年部門の愛国革命的青年運動(YDHG)による道路封鎖、人質といった活動がプロセスと並行して続いており、その活動をやめさせることも(プロセスの)一部とする必要性も強調した。会議の最後に、ダウトオール首相は賢人使節団に対し、「あなた方自身、コンサルタントのように感じることができる。私たちはいつでも対話に応じる。このプロセスのあらゆる段階であなた方とこのように会談します」と語ったという。

■賢人会議には9人が欠席

63人から成る賢人使節団には、アクデニズ地域代表団のラレ・マンスル氏、エーゲ地域代表団のエロル・エキジ氏とバスクン・オラル氏、南東アナトリア代表 団のムラト・ベルゲ氏とユルマズ・エルドアン氏、黒海地域の代表団からはシェムシ・バイラクタル氏とクルシャト・ブミン氏、マルマラ地域代表団については、オルハン・ゲンジェバイ氏、ユジェル・サイマン氏が欠席した。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:35620 )