炭鉱事故、悲しみの家族
2014年10月30日付 Milliyet 紙


水没したハスシェケル炭鉱(エルメネキ郡ギュネイユルト)の坑道について、身の毛もよだつような証言が明らかになった。炭鉱労働者たちは、「コストの高騰によって雇い主が福利厚生をなくし、食事の支給も打ち切られた」と、ファルク・チェリキ労働社会保障大臣に話した。労働者たちからは、恐ろしい報告があった。「親方はトイレ休憩すら与えなかった。私たちの仲間は、ペットボトルで用を足していた。」

一方で、炭鉱の入り口で待ち続ける家族たちは、悲しみに打ちひしがれている。
イスマイル・ギュルセスは、坑道に閉じ込められたままになっている18人の労働者のうちの一人だ。その息子、3歳のムスタファは、「お父さんがぼくにご飯をもってきてくれる」と言いながら、周囲を泣き止ませようとしていた。


炭鉱の痛ましい現実。労働者たちは、包括法案成立後の恐ろしい展開と、その問題について語った。「みんな家からオリーブやらチーズ、トマト、玉ねぎ、パンを各自持ち込んでいました。雇い主はたった15分しか昼休みをくれない。こんな短い時間の中で炭鉱を出入りする時間などあるものか。なのであんな地下何百メートルものところで食卓を囲むはめになっているんです。あの事故も、こういった食事の時間に起きました。」

■ペットボトルで用を足す

「さらにつらいのは、親方たちはトイレ休憩さえもくれませんでした。私たちの仲間はペットボトルで用を足し、仕事が終わった時に外へ捨てていました」
「エルネメキ郡にはどの炭鉱にも労働組合がありません。すべては雇用者の良心次第です。ここから出て別の炭鉱に行こうとしても、行く前に私たちの名が知られているんです。雇用者たちは互いにグルになって、この悪条件のなかで働くことを強いています。」

■「お父さんがご飯をもってきてくれる」

エルメネキ郡の炭鉱に閉じ込められている労働者、イスマイル・ギュルセスさんの家族の家は悲しみに包まれている。彼の妻ファトマさんや家族たちは、打ちひしがれている。
2児の父であるイスマイルさんからの朗報が待たれている。
彼の息子、3歳のムスタファは、「お父さんがぼくにご飯をもってきてくれる」と言いながら、周囲を泣き止ませようとしていた。
ギュルセスさんの母で、48歳のアイシェ・ギュルセスさんは、「本当に胸が痛む。しかし私たちは希望を失ったわけではない」と話す。以前ソマで起こった炭鉱事故の際も涙を流さずにはいられなかったという彼女は、「あの事故以来、息子には気を付けるよう、ずっと言っていました」と語った。

■寒さの中で

イスマイルさんが炭鉱に閉じ込められたという知らせが入ると、彼らはすぐに炭鉱へ向かったという。夜になったので家に帰らねばならなくなったと言う母親のギュルセスさんは、「夜もストーブを焚く気になりませんでした。イスマイルが水の下にいるというのに、家で暖をとる気になど、とてもなりません。テレビから流れてくる情報をずっと観ていました。」

■炭鉱をやめるつもりだった

イスマイルさんの父で、自身も引退する前は炭鉱で働いていたというムスタファ・ギュルセスさんによれば、息子と最後にあった時、彼は「ほかの炭鉱に移って働こうと思っている」と話していたという。

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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:35726 )