6000本のオリーブの木伐採後に裁判所差し止め決定―マニサ火力発電所
2014年11月07日付 Radikal 紙
ユルジャの火力発電所の建設予定地で、コリン・グループの警備員が座り込みをしていた地域住民を物置小屋に閉じ込めた。6,000本ものオリーブの木が林業機で伐採された。裁判所は6000本の木が伐採された後、夕方になってから建設差し止めの判決を下した。
マニサ県ソマ郡ユルジャ地区で、コリン・グループにより火力発電所の建設計画が進んでいる。建設予定地でオリーブの木が伐採されることに反対するため村人らは座り込みを行っており、彼らに食事を運んでいた地域住民を企業の警備員が妨害した。乱闘により村人1人が頭を負傷した。企業のブルドーザーが現場に入り、6000本のオリーブの木が伐採された。一方、村民側のデニズ・バイラム弁護士は火力発電所に対する抗議を審理した行政裁判所第6法廷が、建設差し止めの判決を下したと発表した。
コリン・グループは昨日20時頃、発電所建設予定地であるユルジャ地区のオリーブ林がある地域に、伐採のためバス2台にいっぱいの警備員と林業機を送り込んだ。この際、オリーブの木の伐採を阻止するため16日間座り込みをしていた近隣住民に食事を運んでいた女性も含む地域住民がこれに反発し、これを防ごうとした。フェンスに囲まれたエリアに入ることが許されない地域住民と、火力発電所の建設企業の警備員との間で口論が起き、その後乱闘に発展した。
■「村人たちは手錠をかけられ、四肢をつかまれ宙吊り状態にされて連れていかれた」
乱闘で地域住民のメフメト・オクスズさん、カミレ・チフッチさん、ケレム・オズクルンチさんとユルジャにオリーブ林を所有する弁護士のハサン・ナマクさんが警備員によって手錠をかけられた。証言によると、4人は四肢をつかまれ宙吊りにされた状態で、建設予定地から約4㎞離れた灰処分場として使われている場所にある小屋に閉じ込められた。
警備員が乱闘の際に使ったとされる散弾銃の弾が当たり、地域住民のエミン・オズクルンチさんが頭を負傷した。オズクルンチさんはベシヨル国立病院の外来で治療を受けた。
また、警備員室とエリア内にあった車の窓も割られた。地域住民は中に入ることが許されず、現場に軍警察のチームが送りこまれた。事件は夜中3時まで続いた。
■アクン村長:6000本のオリーブの木が切られた
3時間後、ブルドーザーが火力発電所の建設予定地に入り、まだ丈夫で樹齢何百年にもなるオリーブの木も根元から抜かれた。た火力発電所の建設予定地は鉄条網で囲われ警備が強化され、企業の警備員が壁となって座り込みをする地域住民たちが中に入るのを阻止した。木が伐採されてから現場に入った軍警察のチームに対し、村人たちは抗議した。ユルジャ村のムスタファ・アクン村長は「もう切る木は残っていない。6000本ものオリーブの木が伐採され、なくなってしまった」と述べた。
■村人たちが道を封鎖
地域の近隣住民たちは発電所の建設予定地域に通じる道を朝、封鎖した。軍警察は道を開けるよう村人たちに警告したが、村人たちはこれに従わなかった。ソマのバハッティン・アッチュ郡長も村人たちを説得するために現場に入った。村人たちはアッチュ氏に対し、「この国は今朝どこにいたんだ。ここには国家はなかった。発電所を建設する会社は軍警察を無視して木を伐採した。ここには私たちの祖先から代々受け継がれてきた樹齢何百年もの木々があった。あの木々は全て切られた。1本のオリーブの木が育つには20年かかる。私たちはどうしたらいいのだ」と述べた。
■「地面に座っていても攻撃してきた」
村人たちの座り込みが続く一方、夜起こった乱闘で手錠をかけられて連行され、伐採後に解放されたトゥルグト環境プラットフォームのメンバーで弁護士のハサン・ナマク氏は事件について次のように語った:
「私はユルジャで村人たちから6ドニュム(1ドニュム=920㎡)ほどのオリーブ畑を借りている。木の伐採を阻止するためにここ最近はずっとテントで暮らし、見張り番をしていた。夜には私のところを訪れる人たちもいた。しかし発電所の建設会社の警備員が畑の中に入れようとしなかった。このために口論が起き、乱闘へと発展した。私たちは皆で地面に伏せ、待った。私たちが何もできない状態になったにもかかわらず警備員たちは私たちを攻撃してきた。事件が起こってから2時間後に軍警察が来て介入し、彼らの暴力を止めた。緊張が緩和されると軍警察は現場を離れようとした。しかしコリン・グループの警備員たちは再び私たちに攻撃しようとした。私たちが大声を上げると軍警察は戻って来ざるを得なくなり、これが4回繰り返された。検事と電話で話し、木々と自分たちの身が危険にさらされていると言いたかったが、これもできなかった。真夜中になってから軍警察は「今のところ木は切られていない。朝になったら郡長や検事、その他の地域関係者と会って和解してください。しかし今はあなただけ中に入りなさい。ご友人は外に残るように。この問題は今のところこれで解決としなさい」と言った。このため私はテントに戻って、寝た。しかし少しすると、何が起こったか分からないうちに10~15人の警備員やってきて、私は寝袋に入ったまま両手両足を掴まれて連れていかれた。その後彼らは林業機を持ってエリアに入り、オリーブの木を切り倒した」
■裁判所から建設差し止めの判決
ユルジャ地区の村人たちの弁護士、デニズ・バイラム氏は、ソマで建設が予定されていた火力発電所に関する閣僚委員会の決定に反対する「突然の土地収用決定の取り消し」と「建設差し止め」の訴えを受けて、行政裁判所第6法廷が建設差し止めの判決を下したと発表した。
バイラム氏はアナトリア通信に対するインタビューで、閣僚委員会の決定に反する「突然の土地収容決定の取り消し」と「建設差し止め」のため、9月にグリーンピース法律協会と村民を代表して行政裁判所で裁判を開いたと述べた。
行政裁判所第6法廷によって審議された裁判が決定段階にあり、今日全面的な建設差し止めの方向で判決が下されたという。バイラム氏は、判決理由文は月曜日に届けられるとして、次のように語った。
「裁判は9月に始まり、建設差し止めの判決が下された。私たちは初めからこの建設プロセスが法律に反していると発言してきた。これに関して建設差し止めの裁判を起こしたように、オリーブ畑を守るためにあらゆる行政組織に訴えてきた。この判決は今日下された。判決が下されるまでに地域では何度も伐採が行われ、今日も約6000本の木が抜かれた。法的プロセスは今後も続く。村民は奮闘しており、オリーブ栽培を生業とすることを望んでいる。建設の責任者らに対しては、しかるべき法的手続きを踏んで、その責任を追及していきたい」
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:35802 )