リビアへ出稼ぎに行っていたトルコ人労働者8人との連絡が途絶えている。8人はベンガジからトルコへの帰路についていたとされるが10日間音信不通となっており、目に涙を浮かべた家族らは、外務省からの吉報を待っている。
入っている情報によれば、メフメト・ヌーリー・サーラムさん(31)、ムスタファ・ジャンさん(27)、メフメト・アリ・ギョクタシュさん(38)、エトヘム・ユルマズさん(31)セゼル・ユルドゥルムさん(31)、エルディンチ・アルタルさん、ハサン・アスランさん、イーサ・アルトゥナイさんはベンガジでウェイターとして働いていた。リビア国内の混乱後、クーデターを率いるハリファ・ハフタル元将軍により、トルコ人のリビア国外退去期限を48時間以内とする通告が出されていた。しかし8人のトルコ人労働者は、経済的理由から与えられた猶予時間内に帰国の航空券を購入することができなかった。就業先のレストランから給与を受け取った8人は、先週木曜日、家族らに電話でトルコへ帰国する予定だと話していた。ベンガジ空港は破壊されて使用不可能だったため、8人は北部のミスラタへ向かったが、それ以降、家族らは彼らと連絡がとれていない。
■レストランオーナー証言「彼らは拘束されている」
8人の家族らが、彼らの勤めていたレストランのオーナーから聞かされた情報によれば、ウェイターの8名はミスラタへ向かう道中での検問で、猶予時間内にリビアを脱出していなかったことがわかり、兵士によって拘束されたという。この情報を受けて家族らはトルコ外務省に届け出た。家族らはすでに10日間、外務省からの吉報を待ち望んでいる。
セゼル・ユルドゥルムさんの妻ビルジャン・ユルドゥルムさん(24)は、「夫とは10日間も連絡が取れていません。必要な機関には届け出ました。夫達にすぐにでも会いたい。拘束されたとの情報が入っています。夫の勤め先のオーナーは、ベンガジで軍に拘束されていると話していました。最後に連絡がとれたのは先週木曜日の朝で、そのとき夫は私に「今から出発してアダナに向かう。何事もなければ明日にはアダナにつくだろう」と言いました。それ以降は一度も連絡がとれていません。夫の同僚数名も一緒に拘束されていると聞いています」と話した。
■「全員が悲しみにくれている」
妊娠6ヵ月のメルイェム・ジャンさん(24)は、「夫と連絡がとれていません。話したのは木曜日が最後でした。私には、午前中に8人一緒にベンガジからミスラタに向かうと話していました。ミスラタに空港があるそうです。ベンガジの空港は破壊されて使用不可能らしいです。ベンガジからミスラタに向かう途中、25キロメートルほどのところで軍により拘束されたという情報を、夫たちの勤務先オーナーから聞きました」と述べた。
ゼイネプ・サーラムさん(24)は、子どもたちに「お父さんは明日には来るよ、その次の日には来るよ」と励まし続けるのにも疲れていると明かし、夫とすぐに再会したいと話した。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:35812 )