アルビルで北イラク・クルド自治政府のネチルヴァン・バルザーニー首相と会談したダヴトオール首相は、人道や安全保障、政治、経済といった面での連携を深めていきたいと話した。
アフメト・ダヴトオール首相は、様々な会談を行うために訪れたアルビルで、北イラク・クルド自治政府のネチルヴァン・バルザーニー首相と会談した。ダヴト オール首相は、「イラクの安全保障はトルコにとっても非常に重要なものです。クルディスタン地域の安全も、トルコにとって重要です」と述べた。ダヴトオール首相を、空港で北イラク・クルド自治政府のネチルヴァン・バルザーニー首相が迎えた。ダヴトオール首相はマスード・バルザーニー大統領との二者会談を実現させた。
■「4つの問題が重要」
ダヴトオール首相は、アルビルの首相官邸で行われた記者会見で次のように話した。「イラク全土において安全保障上の問題があります。我々が取り上げた事柄の中で4つの問題が重要視されました。1つ目は人道的状況です。イスラム国(ISIS)の侵攻の結果、200万人近い人々が難民となり、その大部分がイラクのクルド地域に入りました。トルコでもシリアとイラクからの200万人の同胞を抱えています。我々は人道的な支援を増やしつつ継続させていきます。2つ目は安全保障です。イスラム国の最近数か月で激化した侵攻後の安全保障問題について、包括的に話し合いました。イラクの安全保障はトルコにとっても非常に重要なものです。クルド地域の安全も、トルコにとって重要です。3つ目は政治的な問題です。イラクでは新たな政権が政務を始めました。バグダードは前向きな雰囲気でした。イラクの全てのグループが、政治構造の中でふさわしい場所につくことが、我々全員の望みです。イラクのどの地域も、政治構造から排除されてはなりません。4つ目は経済的な連携です。イラクとの80億ドル規模の貿易のうち、40億ドルがクルド地域とのものです。1500以上のトルコ企業があります。10万人以上のトルコ国民がそこにいます。我々は連携を強化していくでしょう。」
■支援を継続
その後、ダヴトオール首相は新聞記者達の質問に答え、「国境地域がある以上、クルド地域の安全保障は我々に直接関わってきます。提供する安全保障上の支援を強化しつつ継続していきます。イラクの安全保障はトルコにとっても非常に重要です」と述べた。
ダヴトオール首相は、トルコを再度ペシュメルゲ部隊が通過するかどうかに関する質問に対し、「ここでは中東における発展について包括的に取り上げました。コバーニーへペシュメルゲ部隊が通過する許可を与えることは、我々の間にある信頼関係を大きく反映したものです。
我々が共同の行動を行うのは至極自然なことです。今後も必要な時に必要なあらゆる場所で共に措置を講じていきます。エネルギー問題で全員が合理的に振る舞えば、全員に利益があります。合意が達成されれば、トルコにとってそれが一番嬉しいことです」と話した。
ある新聞記者の、MİT(国家諜報機構)のハカン・フィダン事務次官が訪問に随行したことに関する質問に対しては、ダヴトオール首相は、「ハカン・フィダ ン事務次官にが私に随行したのは自然なことです、安全保障に関するあらゆる面で、情報は必要不可欠な要素です」と答えた。
■これがそのキャンプ
アフメト・ダヴトオール首相は、北イラクのディヤナ地域にあるペシュメルゲ部隊の訓練キャンプを訪問した。ダヴトオール首相はそこで関係者達から説明を受け、ペシュメルゲ部隊の訓練を見学した。
■クルド語からクルド語へ通訳
会見の中で、あるクルド人記者がダヴトオール首相にペシュメルゲ部隊の訓練及びコバーニーへ送られた部隊についてクルド語で質問したところ、通訳者が誤ってク ルド語へ通訳してしまい、ダヴトオール首相や会場内の人々からは笑いがもれた。ダヴトオール首相は、通訳者のクルド語の通訳を途中で遮り、「トルコ語に通訳してくれ。私は少ししかクルド語がわからないんだ」と声をかけた。
■AFAD(首相府災害緊急時対策庁)のキャンプを訪問
キャンプ訪問では、ダヴトオール首相に、ニハト・ゼイベクチ経済大臣、エフカン・アラ内務大臣、オメル・チェリキ文化観光大臣、MİT(国家諜報機)のハカン・フィダン事務次官、北イラク・クルド自治政府(IKBY)のムスタファ・セイト・カーディルペシュメルゲ部隊長、アリ・スィンディ計画大臣及びエ スィル・ヌジェイフィー・モースル県知事、イラク・トルクメン戦線のアイドゥン・マルフ代理士、トルコのメフメト・アキフ・イナム・アルビル総領事、トルコ赤月社及びAFAD(首相府災害緊急時対策庁)の職員達、そして他の関係者達が随行した。
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( 翻訳者:粕川葵 )
( 記事ID:35932 )