ヨルダン:環境と開発のためのアラブフォーラム開催
2014年11月27日付 Al-Nahar 紙


■首都アンマンで年次会議開催、シャフシール環境大臣「食糧の自給自足には地域協力が必要」

【アンマン:パスカル・アーザール】

今日、現代を生きるわれわれの今日が、治安を脅かすテロ行為による不安や警戒の波にさらされている中、多くの意志決定者らや政府、また人々は、「ソフト」テロと例えられる別の、より恐ろしいテロの存在を見落としている。それは静かに人々の生活や国家に忍び込み、徐々に複雑な事態を引き起こし、大騒動をもたらす。それはまさに気候変動だ。環境と開発のためのアラブフォーラム(AFED)の報告によると、この種のテロは、アラブ世界の食料安全保障の水準を低下させる主要因である。また、アラブ諸国による対策が遅れれば、テロの影響は上昇傾向を取るだろう、とのことである。

昨日(26日)、ヨルダンの首都アンマンにある、メリディアン・ホテルの王宮会議室において、アブドゥッラー2世同国王の後援の下、AFEDが年次会議を開催した。そこで、「食料安全保障の課題と展望」と題された第7回の報告書が発表された。大会には、アブドゥッラー国王の代理としてターヒル・シャフシール環境大臣、レバノンのムハンマド・マシュヌーク環境大臣、また諸大臣や外交官、各国代表、さらに公的・民間の諸機関や国際・地域機関、研究所、大学、市民団体、メディアの代表者らが出席した。それに加え、同フォーラム後援の「環境にかかわる次世代リーダー」の一環で、アラブ諸国の28大学から学生40名が参加した。大会は、ヨルダン国歌をもって開会し、「アラブ人4億人への食料供給」というドキュメンタリーが流された。

続いて、AFED理事長である、アドナーン・バドラーン・ヨルダン前首相が歓迎の辞を述べ、その中で、「食料安全保障の話は、気候変動を抜きには進まない。気候変動との共生の準備を怠れば、われわれをそれによる支配を受けることになるであろう」と強調した。続いて、同フォーラムのナジーブ・サアブ事務総長が、フォーラムの事業と成果を次のとおり発表した。「事業下にある半数以上の地域で騒乱が激化する中、AFEDはその任務を達成するため活動を継続した。その任務の目的は、知識や教育に基づき、アラブ世界の開発に必要とされる政策・計画を支援することである。なぜなら、あらゆる紛争や戦争が起こっている中、人々が自然という資本を保護し、そしてそれを飲食や呼吸のために発展させる必要に迫られ続ける事態を、われわれは目撃しているからである」。

(中略)

そしてシャフシール大臣は、アブドゥッラー国王の言葉を、以下のように強調して述べた。「自給自足の実現には、地域諸国間における生態系、天然資源、所得水準と消費傾向の大きな格差を前提とした、強固な地域協力に焦点を当てることが求められる」。また、「政策管理の一元化、作物生産性の水準引き上げ、灌漑(かんがい)効率の向上、仮想水概念の採用、灌漑用の水利用、畜産業・漁業の向上、適合性の高い措置の実施、気候変動による影響緩和」の必要性を付け加えた。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:樋口菜乃葉 )
( 記事ID:35995 )