プーチン・エルドアン共同会見ー天然ガス、値引きも発表
2014年12月02日付 Radikal 紙


レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とロシアのウラジミル・プーチン大統領が行った会合後、共同記者会見が開かれた。会見で、プーチン大統領は来年1月1日よりトルコへの天然ガスの価格を6%値下げすると発表した。

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とロシア連邦大統領のウラジミル・プーチン氏は高レベル協力会議(ÜDİK)の第五回会合の後、共同記者会見を行った。会見でエルドアン大統領はトルコ・ロシア間の貿易額が2013年に320億ドルであり、2023年の目標は1000億ドルであると述べた。アックユ原子力発電所に関する評価を行ったと述べたエルドアン大統領は、「昨日の環境アセスメントの承認によって作業は進展するだろう。投資額はおよそ200億である。我々は共同事業を行っていくことになる。ロシアのトルコにおける投資に関する感覚も理解した。これに関しても評価していくつもりだ。200人の若者がロシアに行き、そこで現在教育を受けている。彼らはこのプロジェクトに従事する予定であり、こちらでエンジニアの育成もしていく」と述べた。
エルドアン大統領は、地域的問題も取り上げたことを述べつつ、「地域的、また国際的な問題も取り上げた。クリミアの人々の問題も会合で大きく取り上げられた。この見方は、今後のプロセスにおいても共通の利益という基本や、明確な合意点のもとで継続させていく。ウクライナにおける危機を国際法のもとで解決すること、永続的平和の中で重要なビジョンを提供するミンスク覚書を全ての人が尊重することについて、我々の意見は一致していると言える」と述べた。

■プーチン:いくつかの点において意見は違うが、危機の解決におけるアプローチは似ている

会見でロシアのウラジミル・プーチン大統領はトルコとロシアの間でエネルギーが戦略的一つのテーマであることを強調した。(二国間の貿易額において)目標額の1000億ドルは困難な目標であると述べたプーチン氏は、達成のために必要なことを行っていくと話した。プーチン大統領はトルコのエネルギー需要を賄うためにキャパシティーの拡大に取り掛かると述べ、「トルコの政府関係者の要請でトルコ市場にさらに30億立方メートルの天然ガスを提供していく。1月1日以降、天然ガスの価格を6% 値下げし、その後もこれに関する話し合いを続けていくつもりだ。エルドアン大統領は国際的舞台における我々の協力関係に言及し、これに関してこちら側から付け加えることはない。いくつかのことについては違う意見を持つ我々だが、日常的な危機の解決へのアプローチは似ている」と述べた。

■一度アサド体制が無いものと考える必要がある

エルドアン大統領はシリアにおける状態と見解の違いに関する質問に関して以下のように答えた。
「シリアに関する問題について、多くの話し合いが行われた。シリアに存在する政府、つまり圧制し、殺人する政府のこの状況については私は非常に明確に示してきたつもりだ。プーチン大統領はこのことについて私とは違ったアプローチをすることもあるが、全体的にいえば、シリアのこの状態が解決されることについては同意見である。しかしどれだけ多くの問題が残っていることか。もちろん、イスラム国テロ組織に向けて共通の考えを持っている。テロとの闘争に関しても問題はない。イスラム国については共に闘っていく必要があるだだろう。”アサドがいなくなればどうなるか”といったようなアプローチは間違いだ。これまでシリアはアサドと共に歩みを進めてきた。30万人以上の人々が亡くなった現状へはアサドと共にたどりついたのだ。つまり、そこに成功はない。人々は容赦なく殺されている。アサド政権をもう一度無いものと考える必要があるのだ。アサドと共にいて成果を得ることは不可能である。141ヵ国が反体制派を支持している。シリアを形成する全ての層で構成された政府の創出と、またこの政府と共に国民が平安の中で選挙を行えるような地盤を整えることはシリアを客観的に見る者たちの義務なのである。この理解をもって我々はシリアに対する態度を続けていく。」

■選挙の結果からアサドが非常に大きな支持を得ていることが分かった

ウラジミル・プーチン大統領は、シリアで行われた選挙についてコメントし、「シリアにおける状況が普通ではないということについては共通の考えである。そこで様々なテログループが活動することは望んでいない。問題なのは、政治運営に関して全シリア国民がどのように同等の権利を手にすることができるか、ということである。これについてお互いを満足させる決定に辿り着かなければならない。我々はこのプロセスのアクターたちと必ず交渉しなければいけない。トルコにおける同胞たちに対しても同じように。シリアでアサドが政権に留まることについて我々は断言できるだろか?私はこの問いをシリア国民にも向けたいと思っている。選挙が行われ、この選挙の結果アサドが非常に支持されていることが分かった。しかし、我々はそこでの状況が普通だとは考えてはいない。シリアでの流血を伴う戦いの終わりのために我々は尽力していく所存である。我々にいくつかの技術的な問題があり、シリア政府とは明らかな理由から接触が限られている。我々は直接、現地のプロセスに影響を与えることはできないが、我々はこのために尽力します」と語った。
         
■トルコ、ロシア、イランは共同で行動しなければならない

プーチン大統領がシリアの選挙に関して言及した後、エルドアン大統領が選挙は反民主主義的な方法で行われたと述べた。エルドアン大統領はエジプトを例に挙げて以下のように述べた。
「世界的にみてもクーデターを起こした者たちの票は高くなるのだ。トルコでも過去起きたクーデターの後に行われた選挙は、記名投票なのに裏で分類され選挙結果が出され、そのあと彼らの望んだ結果が発表されるものだった。エジプトでの結果もこのような形だった。シリアでは選挙に誰が参加し、誰が参加しなかったか?民主主義的な環境でこの選挙が行われなかったのを目撃した。事実、エジプトでは民主主義的環境で選挙が行われたとき、52%の票をもってムルシーが大統領に就任した。反民主主義的な方法で現在国のトップにいる者を正当化しようとする努力が世界に存在している。」

■アサドがいなくなれば人々の意志、国民の意志による統治がもたらされる

エルドアン大統領は、トルコ、ロシア、イランが共同で行動する必要があると強調し、「ここで一つの解決に至ろう。トルコ、ロシア、アラブ連盟が全て力を合わせて行動することは可能だ。つまり私が言いたいのは、アサドがいなくなれば国民の意志、つまり国の意志による統治がもたらされるということだ。この地盤を準備する必要がある。イスラム国ようなテロ組織が国のトップに立つことを恐れるならば、これに対して我々はプラットフォームを作るべきである。この種のテロ組織に対して我々は力を合わせて闘争していく必要がある。またシリアをあらゆる方面からの参加者より創出された政府に引き渡し、このテロの災いから救う必要がある」と話した。

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( 翻訳者:桑迫静香 )
( 記事ID:36061 )