金納制兵役に関する法の施行の後、2か月以内に申請が行われる予定だ。18,000リラ(およそ95万円)を支払えば、実際には従事せずとも兵役を終えたとみなされるようになる。法の施行までは兵役を免れた人々について処分が科されることはない。
アフメト・ダヴトオール首相が火曜日に発表した金納制兵役について、兵役対象者はどのように利用できるのかに関しての詳細が決まった。5つのQ&Aで見てみよう。
1.金納制兵役適用を、誰が、どのように利用するのか?
金納制兵役法が施行された日に、実際に兵役を開始していない、1988年1月1日以前に生まれた人々が対象である。金納を望む人々は、法が施行された後2か月以内に兵役局、もしくは国外の窓口機関に申請し、18,000リラを一括で支払うことで、基本的な兵役教育を実際には受けずとも兵役を終えたとみなされる。中央銀行の為替販売レートに基づき、支払日に18,000リラに相当する額を外貨で支払うことも可能だ。
2.どれくらいの人々が金納制を利用すると予想されているのか?
金納制を利用することの出来る条件を満たした兵役対象者の数はおよそ64万人である。前回の金納制の時のことを考慮に入れると、10万人程の申し込みがくると予想される。しかし(必要な)金額が前回の金納制兵役実施時よりも低いため、申請者の数は20万人近くになる可能性もあると政府関係者はみている。
3.この収入は何に使われるのか?
金納制によって徴収された収入は、防衛産業支援基金の名のもと、トルコ共和国ズィラート銀行、トルコハルク銀行、トルコワクフ銀行の3つの 銀行で開かれる口座に振り込まれる予定だ。申請条件を満たした全ての兵役対象者が利用すれば、110億リラほどの収入が得られる。内部では得られる額は30億リラなると考えられている。これらの収入は現在進行中の防衛産業プロジェクトに回される予定だ。昨今の法改訂に伴い、MİT(国家諜報機構)も 関連する基金を利用する権利を持つことから、基金の一部は諜報活動のために使用される可能性があるとされている。
4.法の発布までに、兵役を免れた人々について処分はなされるのか?
金納制を利用する権利を持つ無戸籍の者や兵役拒否、検査における不正を行った者についての全ての司法・行政捜査による起訴は停止され、すでに始められている裁判は破棄される。被告人に科された行政罰金なども徴収されることはない。
5.軍は金納制になぜ反対しているのか?
政府の新たな取り組みである金納制兵役に対し、トルコ軍は兵士不足が益々進むこと、トルコ南部での複雑な内戦状態の先行きが見えていないこと、また軍に所属している兵士たちの公正感情を傷つけることを理由に、反対の姿勢を見せている。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:36096 )