クルド語教育は無視、イスラム重視教育は鮮明に
2014年12月07日付 Cumhuriyet 紙
オスマントルコ語が高校での必修授業になるもととなった国家教育評議会でクルド語教育と母語での教育の話題が議題に「上らなかった」。提案にさえ取り上げられなかったクルド語(教育)の要求は「学生はトルコ語を学ばなくてはいけない。
「クルド語とオスマン語は別の話し」という回答をもって無視された。全反対票にも関わらず共学教育の義務化を廃止する提案を議題として取り上げた一方で、提案では今回「私たちはアタトゥルク時代の実用(状態) に立ち戻りたいと言っている。この国で70年、女子高校と男子高校を別々に開校することが出来ていた。男女共学教育は[1997年の]2月28日過程が実施したものだ」と主張した。観光・歓待職業高校のカリキュラムのうち、アルコール飲料の準備の授業を廃止することに関連した議案は最初否決されたが、その後投票で「不正」が行われたと異議申し立てがあったにもかかわらず、可決された。朝、過半数により否決された議案が、午後に過半数をもって可決されたことについて「メンバーが変更された」との主張の声が上がった。
第19回国家教育評議会で必修の宗教の授業や、宗教教育と共学教育の議論の影でクルド語教育や母語による教育の要求も発言された。しかし提案文書上に入れられる ことが妨害されたこの提案は、「言葉」のうえに止まった。高校で選択科目であるオスマントルコ語の必修科目化に関する提案が可決された 「カリキュラム委員会」でクルド語教育の議論が行われた。オスマン語授業[の必須化の根拠として]「ご先祖の墓石を読めない唯一の国が我が国だ」との主張に対して、この委員会のメンバーのひとりは「墓石はあなた方の言う(とおり)だが、この国には2000万のクルド人がいる。彼らが自分の言葉を話すことは許可されていない。オスマン語の必修授業化を提案したこの場で、クルド語教育を認める必要がある」と述べた。この発言者は、2つの言語による授業システムの採用の必要性を訴えたが、しかし彼の要求はカリキュラム委員会の反発によって応じられた。
■「議長権限で…」
アクヨル議長は「このあなた方の提案を考慮しない」と応えた。提案者の「あなたは考慮しなくてはならない」という言葉にアクヨル議長は、 「議長の権限を行使し考慮には入れない」と述べた。この発言を受けて、提案に反対するメンバーは「(お前は)論争を生み出している。学生たちはトルコ語を学ばなくてはいけない。クルド語とオスマン語は別の問題だ」との主張を行った。このような形で押しのけられたクルド語授業の提案は提案文書に入れなかった。
一方で共学教育の終了に関してなされた提案で発言をおこなった教育者同盟組合のアフメト・ギュンドードゥ組合長は、議論に異なる次元をもたらした。ギュンドードゥ組合長は「私たちはアタトゥルク時代の実用(状況)に立ち戻りたいと言っている。70年に及ぶ共和国の歴史にはチャムルジャ女子高校、イスタンブル男子高校、イズミル女子職業高校のような女子高や男子校があったが、私たちは共学教育を撤廃しようという提案は出さなかった。与党が後見組織とやり取りする中、2月28日過程が実用化した制度の継続は現実とそぐわない」と話し、共学教育に関する提案を評議総会にも提出する予定であると伝えた。
■生誕日週間もアシュレの日も
毎年刷新される回状によって学校で祝われているムハンマド生誕日週間活動の制度化について見通しが立った。生誕日週間に関する法律上の是正により、この日が 「特定日・週間」の日程に加えられることに関する提案が可決された。このようにして生誕日が全学校で義務的に活動をおこなって祝う見通しが立った。提案によってアシュレの日と[イスラム暦の第一月]ムハッレム月も日程に加えられた。
■さらに必修授業
委員会で、高校で一週間に一時間、必修として教えられている宗教文化と道徳知識の授業が一週間に二時間になることに関する提案が可決したことにより、 物議を醸している宗教の必修授業がカリキュラムの中でより重きを置かれる見通しだ。委員会指導部が委員全員に対して賛否いずれであれ有無を言わさなかったという。高校で教えられている美術の授業では「書道、マーブリング、装飾美術(tezhip)、細密画」のような伝統芸術も教えられるとの見通しが立った。この提案もあるメンバーが体調不良で倒れ、別のメンバーたちが体調不良者の看病をして投票しなかったにも拘らず、「全会一致をもって」可決されたと発表された。
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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:36116 )