■地中海対話は、イスラエルにとってアラブ諸国の安全保障に至る架け橋である
【ラギード・スルフ】
北大西洋同盟(NATO)は今年で、「地中海対話」計画の開始から20周年を迎える。この対話には、NATO加盟国に加えて、イスラエル、エジプト、ヨルダン、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、モーリタニアのアラブ諸国6カ国が参加している。この対話の目的は、以下のように要約できる。
第1に、地域の安全保障と安定の実現への貢献。
第2に、対話参加諸国間の相互理解の推進。
第3に、これらの諸国が持っているNATOへの誤った印象の是正。
同計画創設20周年記念にあたり、イエンス・ストルテンベルグNATO事務総長は、テロに対する国際社会の戦いにおいて対話が果たすべき役割を強調し、テロリストに対する国際同盟を拡大することが重要だと述べるとともに、国際的テロリズムの根絶は一国だけでは不可能だとの考えを示した。これに先立ち、NATOの複数の高官は満足の意を示しつつも、さらに多くの環大西洋諸国をNATOに加盟させるか、それ以外の諸国を「地中海対話」のような計画・プロジェクトに参加させることで、NATOを拡大するための窓口を増やそうとしてきた。
NATOの現役および元高官らは、「地中海対話」計画が環大西洋諸国とその同盟諸国を結集させる枠組みとして注目に値するモデルだと考えた。また現事務総長が述べたところによれば、対話は「NATO加盟諸国とイスラエル、アラブ諸大国が一堂に会する唯一の持続的フォーラム」であった。
(後略)
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( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:36330 )