シリア: 政府軍の空爆により45名の民間人が死亡
2014年12月26日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■シリア人権監視団:政府軍の空爆により民間人45名が死亡
■アサド政権に反対する武装グループが「シャーム戦線」と呼ばれる同盟を結成

【本紙】

シリア人権監視団およびシリア・バーブ市の住民は、昨日金曜日(26日)、同市への政府軍の空爆により少なくとも45名の民間人が死亡し、約175名が負傷したと述べた。シリア北部に位置する同市は現在イスラーム国の制圧下にあり、バッシャール・アサド大統領の政府軍は空爆を激化させている。

住民は、ヘリコプターや戦闘機が、バーブ市にある住宅地帯や工業地帯や、アレッポ北部に隣接するクッバースィーンの町に樽爆弾を投下したと述べた。

クッバースィーンにおいて地元の民間防衛隊でボランティア活動を行っているユースィフ・サアディ―氏は、スカイプを通じて「人々はわずかな食糧を求めて外出していただけで、マーケットに武装組織はいなかった。普通の純朴な人々にすぎない。なぜアサドは我々を殺すのか?神よ、彼に報いを与え給え。」と述べた。

シリアの公式メディアは、約10万人が住むバーブ市への爆撃に関するニュースを報じていない。同市は、9月下旬のシリアにおけるイスラーム国に対するアメリカ合衆国主導の軍事攻撃の開始以降、政府軍の熾烈な攻撃の対象となっていた。

イギリスに拠点を置くシリア人権監視団は、37人の民間人が死亡し、シリア政府軍は反体制勢力が制圧している地域への空爆を過去3日間に激化させたと述べた。

シリア人権監視団は、さまざまな情報筋から情報を集めているが、ダマスカス方面で反体制武装勢力が制圧している各地域を標的に、3日間で470回以上の空爆を行い、少なくとも110人の民間人が死亡したと付け加えた。これらの地域には、反体制派が制圧しているダマスカス近郊東部の複数の町が含まれているが、ここでは地域奪還のため2年前より政府軍が継続的な軍事攻撃を展開している。

同監視団代表ラーミー・アブドゥルラフマン氏は、ロイター通信に対し、「この3日間にシリア全土において空前の空爆があったが、これは、政権が将来的な政治的協議での交渉の立場を有利にするためにこの地域を掌握しようとしているためである」と述べた。

同監視団はまた、ダマスカスの郊外にある反体制武装勢力が制圧する被包囲地区ザブディーンから出ようとしていた民間人11人が、政権を支持する狙撃者の銃弾によって殺されたと述べた。死者のほとんどが女性と子供である。

さらに、ダマスカスの郊外県では、政府軍戦闘機が同県の市町村に対し、42回の空爆を行った。この空爆の半数以上(25回の空爆)は、デール・アサーフィールを標的とした。また、ダマスカス東部にあるジョウバル地区は8回、ドゥーマは4回、ハラスターは3回の空爆の標的となった。

一方、昨日金曜日(26日)の朝には、ハマーの郊外にあるカファル・ゼイターは、戦闘用ヘリコプターによる樽爆弾の爆撃にさらされた。

イドリブ地方では、ハーン・シャイフーン市の北部地区が樽爆弾の爆撃にさらされ、またフバイトとマアッラ・トゥハルマの二つの町に対し戦闘機が、樽爆弾を投下した。

さらに、デリゾール近郊のアブー・ウマルの町も同様に空爆にさらされ、同じ頃、ダマスカス郊外のダールヤー市に対して爆薬樽が投下された。しかし、被害状況や犠牲者に関しての言及はない。

同監視団は木曜日(25日)、シリア北部のアレッポ県で戦闘を続ける複数の武装グループが同盟の形成に合意したことを明らかにした。

ダーイシュやシリアにおけるアル=カーイダ系のヌスラ戦線のようにイスラーム過激派と表される強力な組織の戦闘員の多くは互いに戦い、また穏健な武装集団に対する戦闘を行なっている。

反体制勢力と政権側に二分されているアレッポでの戦闘は、シリア北部における「穏健な」反体制勢力の最後の最重要戦線の一つと考えられている。

同監視団はアレッポにおけるいくつかの武装グループが同盟を形成することに同意したと述べ、さらに、ムジャーヒディーン軍、ヌールッディーン・ザンキーの各旅団、および他のグループもまたその統合に合意したと付け加えた。

同監視団はこれらの集団が「1つの旗、および統一指揮の下での完全な統合」を表明したと続け、この新しい同盟は「シャーム戦線」と呼ばれることになると述べた。

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( 翻訳者:渡真利菜々 )
( 記事ID:36360 )