トルコで活動していた電話詐欺グループが、あの手この手を使いドイツで100万人の退職者を騙したという。
フォーカス誌に掲載された記事では、ドイツで高齢者に対する詐欺が新たな様相を呈し始め、詐欺グループがトルコから退職者に電話をかけ、彼らにお金を獲得したと言って騙したと述べられた。
トルコのコールセンターから退職者を探したことが指摘された当該記事には、このようにして退職者の口座にある貯蓄を奪ったり、借金をさせたり、家を抵当に入れさせたりしたと書かれている。
記事では、この事件で被害を受けた退職者が破産したり、一部の人は恥との意識から自殺したりしていることが明らかになった。
連邦刑事局(BKA)の資料によると、ドイツで騙された退職者の数は100万人にのぼるという。
連邦刑事局のオホルガー・クリーゲスコルテ警部は、このようにして騙された人々の被害額は約1億1700万ユーロにもなると言い、詐欺グループは、高齢者の信じさすさや無防備さを利用したのだと話した。
クリーゲスコルテ警部は、ずるがしこく柔軟な、高水準の教育を受けた詐欺グループの被害に遭った人々はなすすべがなかったと述べた。
詐欺グループがこの分野においてはプロであり、様々な手段を用いていると述べたクリーゲスコルテ警部は、グループが同時に高齢者へ圧力をかけていたことを説明した。
詐欺グループの術中にはまった退職者は、得たと思い込んだお金のために税金や他の費用を支払った後、再度電話を受け、いわゆるマネー・ロンダリングや脱税が犯罪にあたるという事態に直面したと話すクリーゲスコルテ警部は、この怖れから退職者達は全貯蓄を詐欺グループに送ってしまったのだと話した。
クリーゲスコルテ警部は、件の詐欺グループははドイツで長い間生活し、ドイツ語に良く通じており、ドイツ語を様々な方言で話すことすらできると述べ、そのようにして高齢者の信頼を得たのだと話した。
クリーゲスコルテ警部は、コールセンターの職員は3交代制で働いており、詐欺グループは退職者の情報の一部を違法な手段で得ていたと述べた。
記事によると、詐欺グループは多くの場合、自分は弁護士もしくは検察官だと名乗っていた。
記事では騙された人々の例がいくつか紹介されており、フランクフルト在住の79歳の女性が45万ユーロを、バイエルン州の退職者も9万ユーロ分の借金をし、合計29万1000ユーロを奪われた。
この詐欺グループに斡旋を行い、ドイツで社会扶助を得ていたマフムト・Tという名前の人物が、少し前に逮捕され、3年10か月の実刑判決を受けたことが明らかになっている。
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( 翻訳者:粕川葵 )
( 記事ID:36413 )