子供3人奨励策、発表―3人目には1,300TL、母親には長期育児休暇
2015年01月09日付 Milliyet 紙
アフメト・ダヴトオール首相は、少子化対策に向けた国の奨励策を、「家族法案」として発表した。同首相は、第1子出産で300リラ、第2子出産で400リラ、第3子以降は600リラの出産手当を給付すると述べ、「母親への最初のお祝いの金貨を国が贈ることになるだろう」と述べた。
アフメト・ダヴトオール首相は、「家族、活力に満ちた人口構造保持」プログラムを発表した。同首相は、プログラムでは妊婦に対し給与全額保証のパートタイム勤務の権利を認めると説明した。これによると、妊婦は16週の通常出産休暇使用後、第1子を出産した場合、2ヵ月間はパートタイム勤務でも給与を全額保証される。また、第1子出産で300リラ、第2子出産で400リラ、第3子以降は600リラの出産手当が付与される。ダヴトオール首相が、昨日(1月8日)アンカラ宮殿で行われた6閣僚参加の会議で本プログラムのアクションプランを発表した。同首相によると、38項目からなるアクションプランには以下の改定が含まれる。
■コーラン教室での教育
‐国民教育センター、コーラン教室の継続学習者、トルコ軍所属者には婚前教育が行われる。
‐家庭社会支援プログラムが施行される。社会支援について、トルコのリスクマップは取り除かれ、500の家庭に家庭社会支援プログラム担当官が就く。
■クレジットカード教育
‐各家庭に金融、ローン、クレジットカードの使用、投資について教育が行われる。低所得者に対し最低限度の社会支援が行われる。
■パートタイム勤務の権利
‐妊娠した場合、有給・無休の出産休暇が利用できる。出産後母親が死亡した場合、母親の休暇残を父親が使用できる。
‐未熟児出産の場合、母親が取得出来る休暇は9ヵ月(40週間)となる。つまり、7ヵ月目に出産した場合、更に2ヵ月間の休暇が取得できる。
‐出産時に父親が取得出来る休暇日数は、現行の3日から5日へと変更となる。公務員は出産休暇中でも昇任、昇級が行われる。
‐母親は、第1子の場合2ヶ月、第2子の場合4ヶ月、第3子の場合6ヵ月、給与全額保証の上でパートタイム勤務が可能となる。16週間の出産休暇に対し、第1子出産の母親は2ヵ月間のパートタイム勤務―たとえば、1日の勤務時間が8時間でなく4時間で、給与が全額保証される。全額給与保証による負担分は民間企業ではなく、失業基金より手当することとなる。
■小学校入学までの権利
‐母親の希望により、子供の小学校入学、つまり5歳半までパートタイムでの勤務が可能となる。
‐公務員に支給される192リラの出産支援金が、全ての母親に支給されるようになる。第1子出産の場合300トルコリラ、第2子出産の場合400リラ、第 3子出産の場合600リラを母親に支給する。ダヴトオール首相は、「300リラのお祝いは、半分は金貨となる。言わば、母親へのへの最初のお祝いの金貨を国が贈ることになるだろう。この金貨は、暫くしたら記念として保管し、世代から世代へ伝えることができる。母親に対する尊重、敬意、彼女達の偉大な貢献に対するしるしとして全ての母親に贈答される」と述べた。
■保育施設は増加
‐民間の保育施設は増加する。自治体が保育責任を負う。家庭文化が摘要に取り入れられる。自治体では、「家庭評議会」が創設される。個人年金に似た「支度金口座」が開設される。子供は、結婚までに10万リラ貯蓄すると、国は1万5千リラを支給する。他都市へ移住してもこのプログラムの対象となる。
■反動の可能性も
ダヴトオール首相は、講じられる全ての対策には反動の可能性があり、この影響を最小限に留めることが重要であることを述べた。ダヴトオール首相は、「我々が取った決定で、民間セクターがつけを払わされることはない。民間セクターでのさらなる女性雇用を奨励する要素も検討するが、我々が取る措置は、民間セクターにいかなる形であれ女性雇用について思いとどまらせるような結果につながるものではない。また民間セクターの代表が、女性、母親を苦しめて生産性を高めていくというような誤った理解をするとは考えていない。これが悪用されてはならない」と述べた。ダヴトオール首相は、「女性が働く一方、家庭生活や子供の好奇心を犠牲にしてはならない」 と述べた。
■目標は3%
ダヴトオール首相は、出産率が現在2.07%であり、4~5年以内に2.1%を上回るよう努力していると述べ、「出生率を3%まで上昇させる」と述べた。
■10億リラの賦課金
ダヴトオール首相は、金納兵役制に関連し「現在までに非常に多くの利用者があり、その数は7万を越え、10億リラを上回る賦課金が集まっている。昨日、防衛産業執行委員会で、防衛産業への重要な貢献とし本件が特に強調された」と言った。
■W-20の実現
トルコが議長国を務めるG20では、国家間(での会合)に限らず、その他の方策も存在しており、ダヴトオール首相は、ビジネス分野でのそれがB20(ビジネス20:グローバル企業や国際機関の幹部より組成される会合)と名付けられていることを想起させ、「ウーマン20が行われる。進取の気性に富んだ女性の話し合いや会合を可能にしていく」と述べた。
■「パニックボタン」修正
ダヴトオール首相は、家庭内暴力(DV)に対するキャンペーンを開始に向け行動に移ったと述べる一方、アイシェヌル・イスラム家族社会政策相も、女性への暴力との闘いにおける「パニックボタン」システムの試験段階が終わりにきたと述べ、「システムには少し修正が必要だ」と述べた。
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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:36463 )