■石油価格が1バレル=45ドルを下回る
【ロンドン:本紙】
2008年の金融危機以来初めて、アメリカの原油価格が1バレル=45ドルを下回った。これは、先週、米国の石油在庫が150万バレル増加し、UAEのスハイル・マルズーイーエネルギー相が、少なくとも次の6月の「OPEC」総会まで原油価格は下落し続けるだろうと発表したのを受けてのことだ。
「ブルームバーグ」社はレポートの中で、1バレル当たりの価格は今月末までに40ドルに向かい、それは現在の価格下落が始まって以来、約50%の石油価格の下落と「OPEC」諸国の歳入の減少を意味すると述べた。
ヨーロッパ原油価格指標「ブレント」の2月の原油先物取引は昨日、午後にロンドン証券取引所で1バレル=45.98ドルのレベルを記録し、約1.45ドル下落した。一方で、アメリカのWTIでは1バレル=44.20ドルを記録した。
「ブルームバーグ」は、米国の原油在庫が3億8390万バレルを超え、すなわち毎年3億6000万バレルを公式に超えない「OPEC」組織の年間輸出量よりも多いと指摘した。
同社は、米国の石油生産は、油田またはシェールからの生産で915万バレルを超えるレベルを保ち、これはサウジアラビアの生産レベルとほぼ同じだと指摘した。
「ブルームバーグ」は、中国が石油輸入量を1日あたり620万バレルに増加させたことに注目した。また、原油供給の安価さと入手の容易さが理由で、記録的なレベルまで実際に秘密の一般在庫を引き上げざるを得ず、同国の管理下にある地域からの生産を減らし、将来的な備蓄として残したと述べた。
マズルーイー大臣は、アブダビで行われたエネルギー会議の参加者らの前で「我々は一定の石油価格を保ち続けることはできない」と述べた。
また、同大臣は「シェールオイルを基本とする供給は過剰であることを経験したが、これは是正されねばならなかった」と加えた。
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( 翻訳者:綱川晴美 )
( 記事ID:36539 )