ジュムフリイェト紙のシャルリー・エブド転載騒動―配布妨害?と厳重警備
2015年01月14日付 Hurriyet 紙
シャルリー・エブド紙最新号から4ページ分とその風刺画の一部を載せたジュムフリイェト紙を、イスタンブル中に配布しようとしたトラックが、ハドゥムキョイの印刷所をでたところで警官に止められた。検察による調査ののち、通過の許可が与えられた。同新聞社のシシュリにある本社では厳重な警備がされており、抗議に訪れた2名のターバン姿のものを含む8名が逮捕された。
シャルリー・エブド紙最新号の一部をジュムフリイェト紙が掲載すると発表したのを受けて昨晩はじまった緊張は、昨日一日続いた。朝早くから新聞社のビルの前では抗議のデモが行われ、午後には、逆に新聞社を支持する人の訪問があった。
ジュムフリイェト紙は、世界中で16言語で300万部印刷された16ページのシャルリー・エブド紙への共感を示すため、うち、4ページ分の記事と選抜して風刺画を掲載した。シャルリー・エブド紙の一部が掲載されるとの報道をうけ、シシュリにあるジュムフリイェト紙のビルの前では警察が厳重な警備体制をひいた。ビュユクデレ通りをアビーデイ・ヒュッリイェト通りと結ぶ道、ヌーレッティン・マズハル・オクテル通りと、イスティクラル通りは、夜半に、警察のバリケードにより通行禁止となった。通りでは、2台の、アクレプと呼ばれる装甲車が待機し、機動隊が新聞社の周りを固めた。
■最初のコントロールは印刷所で
同紙が印刷されるハドゥムキョイにあるドアン印刷センターの施設へ、夜中の1時頃、3人は制服、5人は私服姿の8人の警官隊が訪れた。新聞をイスタンブルとその周辺に配布するため工場をでようとしていたトラックは、警官により止められた。印刷センターとYAYSATの関係者は、トラックには、ジュムフリイェト紙をはじめ、その他多くの新聞も載っていると説明し、配布を差し止める裁判所決定の有無を問いただした。警官隊はいかなる司法決定も示せず、トラックから押収したジュムフリイェト紙の1部を、メディア担当検察にもっていくとした。検察の検査ののち、警察は、1時40分頃、トラックの出荷を許可した。
■脅迫電話
その前の晩、SNS上ではじまった抗議のメッセージの雨はどんどん増えていった。1日中、新聞社には脅迫や侮辱的な内容の電話がかかってきた。朝になると、警察は警備をより強化した。新聞社周辺には私服警官が配備され、夜間通行止めだった道路は昼間は解除された。ジュムフーリエト紙に掲載される風刺画のなかに、預言者ムハンマドを描いたものも含まれるとの噂がひろまり、民族主義者のグループだとのなる3名が、夜に新聞社の前にきて抗議のパフォーマンスを行った。朝になると、新聞社のある通りで働いている人々は、警官のボディーチェックをうけたうえで、この通りに入ることが許された。
(中略)
■ジュムフリイェト紙「宗教への敬意は忘れていない」
抗議をうけ、書面による声明を発表したジュムフリイェト紙編集部は、シャルリー・エブド紙を支持するため、風刺画を掲載したと述べた。発表は次のとおり。
「本紙のウウル・ムムジュ、ムアンメル・アクソイ、バフリエ・ウチョク、ウミト・カフタンジュオール、ジャービト・オルハン・チュテンギル、オナト・クトラル、アフメト・タネル・クシュラルのように、多くの知識人や新聞記者が、暗黒のテロの結果、命を落としてきた。シャルリー・エブド紙や、その漫画に対する殺人を、それゆえ、われわれはもっともよく理解するものだ。ほとんどすべての風刺画作家を失ったこの新聞を、フランス中の新聞社が模範的な支援をし、この号を出版にこぎつけた。我々も、同様の支援の一部として、また、表現の自由を守る責任から、同紙にのった特別支援のページのうち4ページを選び、掲載することを決定した。この4ページを選ぶにあたっては、わが新聞の出版方針と並び、社会の宗教的規範と信教の自由に配慮した。誰の宗教的価値観や聖なるものを妨害したり、それを標的にするというような意図はないし、あってはならない。我々の唯一の目的は、1報道機関に対してなされた殺人に抗議し、この殺人に対し、(それを非難する声へ)共感の感情を伝えることだ。ジュムフーリエト紙は、今後も、全力で表現の自由を守っていく。」
■トルコ新聞社協会「これは、検閲だ」
トルコ新聞社協会の執行部は、シャルリー・エブド紙の風刺画を掲載したジュムフリイェト紙の配布が、警官によって妨害されたとし、「警察によるジュムフリイェト紙に対する検閲の試みを非難する。こうしたことは憲法と報道法に反している」と述べた。
■「配布妨害」の疑い
シャルリー・エブド紙への支援のため「Je suis Charlie」の言葉だけを表紙にのせたレマン誌、ウイクスズ紙、ペンギン紙が、店への配布の際に妨害されたとの疑いがでている。イスタンブルの一部では包装が解かれず、一部地域には配送がおこなわれなかったという苦情をうけ、調査がはじめられた。レマン誌の編集長ザフェル・アクナル氏は、イスタンブルの各地からSNSを通じて(売っていないとの)抗議が寄せられたこと、しかし対応するには、それがどこなのかがわからないと何もできない、とし、次のように述べた。
「苦情が本当かどうか、調べている。配送会社とは話し合っている。調査をするとしているが、現時点では、はっきりしたことはわかっていない。何万もの販売店があるのだ。どこで売られていなかったということをはっきり示す必要がある。これは、読者からの連絡をまってはじめて可能になる。しかし、どこでなにがあったのかは、10日後に、販売実数が発表になった時にはっきりする。」
■シャルリー・エブド紙の表紙を載せた4つのサイト、アクセス不能に
ディヤルバクル第二裁判所は、エルジャン・エズギン弁護士の要請をうけ、ムハンマドの風刺画をのせたシャルリー・エブド紙最新号の表紙を掲載した4つのサイトに対し、アクセス禁止の措置をとった。t24.com.tr、birgun.net、internethaber.com と、thelira.comへのアクセスを禁止した決定では、次のような説明がなされている。
「表現の自由が人々を啓蒙するという域を超え、その手段も目的に適したものでない場合には、人々の宗教的価値感や感情を守る意義は、表現の自由よりも、より重要である。」
アクセス禁止を批判したアメリカ合衆国報道官のマリー・ハーフ氏は、「これは新聞社が判断する問題だ」と述べた。
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:36554 )