ベルリンで昨日(16日)朝、トルコ国籍者を有しイスラム国(IŞİD)と関わりのあるグループに、250名の警察部隊による強制捜査が行われた。イスラム国に民兵や資金を供給していた組織のリーダーであるイスメト・ドアンは、「指揮官」と呼ばれていたことが伝えられた。
フランスでシャルリー・エブド社の風刺画雑誌が標的とされたテロ攻撃後、ヨーロッパを取り巻くテロの恐怖は日に日に増している。ベルギーで昨日2人の容疑者死亡により幕を閉じた対テロ作戦の後、ドイツでも大きな掃討作戦が実施された。首都のベルリンでトルコ人がメンバーに含まれ、イスラム国のイデオロギーを掲げる組織に対して強制捜査が行われた。この強制捜査では最初に3人のトルコ人が逮捕され、その内1人は証拠不十分により釈放された。イスメト・ドアン(41歳)とエミン・フィリズ(43歳)と報じられたトルコ国籍の男らの身柄拘束は未だ続いている。
ベルリン検察庁と警察の対テロ作戦を管理する「国家安全保障機関」により共同で進められたこの強制捜査では、首都ベルリンの11ヶ所で掃討作戦が行われた。ベルリンのモアビットやウェディング地区の合計11ヶ所の拠点が制圧された。この強制捜査では民間の部隊も加えた250名近い警察が任務についた。
■ドイツでのテロ攻撃はない
早朝の時間帯に行われたこの強制捜査は、何ヶ月も続いた情報収集日活動の末に実現されたことが伝えられた。ドイツ警察は、何ヶ月間もトルコ国籍で急進的なイスラムグループと関わりのある容疑者らを監視し、強制捜査に踏み切る情報をこの過程で集めたと発表した。
逮捕されたイスメト・ドアン容疑者とエミン・フィリズ容疑者は、何年もの間「暴力的で急進的なサラフィー主義のグループに加入していた」ことが伝えられた。
ドアン並びにフィリズ両容疑者が「シリアで襲撃計画を企て、ブラックマネーを流用していた」ことも明らかとなった。容疑者らがドイツでテロ攻撃を計画していたかに関する証拠は見つかっていない。
■「指揮官」に任命された
容疑者らが「イデオロギーとしてイスラム国やシリアのチェチェン人グループに近い」ことも明らかとなった。チェチェン人はイスラム国内部で最も急進的なグループとして知られている。容疑者らの内、ドアン容疑者がベルリンのイスラム主義グループのリーダーを務め、「指揮官」に任命されていたことも伝えられた。また、フィリズ容疑者は組織の経営を担当していた疑いで逮捕されたと報じられた。
ドアン容疑者がリーダーをしていたグループは、大部分がトルコやチェチェン、ダゲスタン出身のロシア連邦国籍で構成されていたことがわかった。この組織は、ドイツからイスラム国に参加する民兵を集め、シリアに入るグループメンバーに組織や物資の支援を行っていたことが判明した。ドイツの新聞によると、この組織は同時にシリアに入るグループメンバーに暗視装置のような軍の装備品も供給していたという嫌疑でも捜査されている。
■単独で行った
ベルリンにおける強制捜査の一方で、ニーダーザクセン州のヴォルフスブルクでも木曜日の夜にイスラム国の下部組織が制圧された。この強制捜査では、アヨウブ・Bという名前のチュニジア出身の人物が逮捕された。
逮捕される間、「アッラーは偉大なり」と叫んでいたこの容疑者は、急進的なイスラム組織のキャンプで軍事訓練を受けていたことが明らかとなった。
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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:36608 )