シャルリー・エブド紙漫画転載ジュムフリイェト紙への抗議者、逮捕
2015年01月14日付 Hurriyet 紙
週刊紙「シャルリー・エブド」の最新号から、4ページ分の風刺画と記事を転載したジュムフリイェト紙をイスタンブルに配送するトラックを夜中、ハドゥムキョイの印刷所出口で警察が止めた。トラックは検察の捜索後、通行が許可された。また同紙のシシュリ本社で警備が強化される一方、抗議に訪れたターバン着用者2人を含む8人が拘束された。
シャルリー・エブドの最新号の一部がジュムフリイェト紙で転載されるとの発表を受け、12日未明に生まれた緊張は13日も続いた。午前中、新聞社の建物付近で抗議デモが行われたが、午後は新聞社を支持者らが訪問した。ジュムフリイェト紙は全世界、16か国語で300万部発行された16ページの週刊紙「シャルリー・エフド」との連帯を示すため、4ページ分のと風刺画と記事を転載した。
シャルリー・エブドの一部が掲載されるとの報道を受け、シシュリにあるジュムフリイェト紙の建物の前で警察は12日未明、広範囲にわたり警備体制をとった。ビュユクデレ通りとアビデイ・ヒュッリイェト通りをつなぐ道、ヌレッティン・マズハル・オクテル通りとイスティクラル通りは夜半、警察のバリケードで封鎖された。通りでは警察の「スコーピオン」と呼ばれる装甲車2台が待機する一方、特別機動隊の警官も新聞社の建物付近に配備された。
<中略>
■脅迫電話
12日夜、ソーシャルメディアから始まった抗議メッセージの雨は次第に強くなった。日中にかけて新聞社には多数の脅迫や侮辱の電話が寄せられた。警察は13日朝、警戒を強めた。新聞社周辺には私服警官が配置された一方、夜中封鎖された道は朝再開された。ジュムフリイェト紙の一部に、ムハンマドの風刺画が掲載されるとの主張に関してアルペレン協会のメンバーといわれる3人は夜間、新聞社の建物がある通りを訪れ、抗議デモを行った。午前中、新聞社のあるイスティクラール通りに職場のある通勤者は警察の検査を通過し、通りに入った。
■ターバンを着用した抗議者
バリケード付近にやってきた1人は、警察の規制線を破って「あなた方は宗教の敵を守っている。あんな恥ずべき奴らを守るな」と叫んだ。正午ごろ、緑色の、アラビア語の文字が書かれた旗を持って建物を訪れた1人は「彼らはパリで15匹の犬を殺し、世界は慌てた。今日、イラクやアフガニスタンで数百万人の人々が亡くなっている。アッラーや預言者を中傷してはならない」と主張した。この抗議者は拘束された。5分後に来た、手に杖を持ちターバンを着用した2人は「どうかアッラーの宗教を中傷しないでくれ。我々がいる時、彼らはいないのだ」と叫んだ。この2人も私服警官らに拘束された。夜、新聞社の建物付近にやってきたグループは「預言者ムハンマドよ、悲しむことなかれ、このウンマはあなたとともに」と書かれたプラカードを掲げた。このグループは「ジュムフリイェト紙は責任をとることになるだろう」「ここはトルコ、フランスではない」とのスローガンを叫び、座り込みのデモを実施した。彼らは拘束された3人が解放されたことを知り、デモを終えた。これらの抗議活動中、5人が拘束された。
■オヌル氏:「ユーモアとともに」と返答
共和人民党(CHP)所属イスタンブル県選出国会議員のメルダ・オヌル氏は新聞社を訪れ、「首相がデモ行進に参加するほどのことを彼らはやった。寛容になろうではないか。お互いに、ユーモアに対する敬意を示そう。ジュムフリイェト紙がこれを支持することはとても価値のあることだ。ユーモアに対するもっともよい答えは、ユーモアだ」と話した。
■イェニ・アキト紙の前でデモ
理想主義者とされるグループは、アタテュルクにコンピュータ・プログラムで化粧をほどこし、「バッシングを受けた」という写真を掲載し、フェイスブック・ページから投稿したという主張とともに、イェニ・アキト紙の建物に向けてデモ行進した。主張によると、グループが建物に石を投げると、建物からも発砲があったという。これに関して、デモ隊は建物の前で待機デモを始めた。
■我々は信仰に敬意を払う
ジュムフリイェト紙編集長は抗議に関して書面発表を行い、シャルリー・エブドを支持するため風刺画を掲載したことを明らかにした。発表では以下のように述べられた:「弊紙のコラムニストであるウウル・ムムジュ氏、ムアンメル・アクソイ氏、バフリエ・ユチョク氏、ユミト・カフタンジュオール氏、ジャヴィト・オルハン・トゥテンギル氏、オナト・クトラル氏、アフメト・タネル・クシュラル氏と同様に、非常に貴重な知識人や記者らが凶悪なテロ襲撃の結果、命を落とした。このため、シャルリー・エブドや風刺漫画家らに対する虐殺を、我々はよく理解している。ほぼすべての漫画家を亡くしたこの週刊紙は、フランス全紙が手本となる連帯を示し、この号を発行した。我々も同じ連帯の一部として、表現の自由を守るという責任から、シャルリー・エブド紙が発行した連帯を示す特別号から4ページ分を転載することを決定した。この転載を準備する一方、我々の出版の原則だけでなく、社会の宗教への敏感さや信仰の自由に対する配慮を示した。誰かの宗教的な価値観や神聖なものと争うことや、それらを標的とすることは、考えていないし、ありえない。我々のただ一つの目的は一つの出版機関に対して行われた虐殺を非難し、この虐殺に立ち向かう連帯の気持ちを伝えることだ。ジュムフリイェト紙は今後も表現の自由を守ることに全力で取り組み続ける。」
■TGC:これは検閲だ
トルコ新聞記者協会(TGC)会長は、シャルリー・エブドの風刺画を掲載したジュムフリイェト紙の配送が警察により妨害されたことを明らかにし、「我々は警察がジュムフリイェト紙に対して行った検閲を非難する。この適用が憲法や出版法に違反していることを我々は指摘している」とコメントした。
■「配送妨害」と主張
フランス週刊紙「シャルリー・エブド」を支持するため13日「私はシャルリー」とのメッセージとともに統一した表紙で発行されたレマン誌、ウイクスズ誌、ペングエン誌の配送においても問題があったことが言われている。イスタンブルの一部の地域で包装が開封されず、ほかの地域では配達が行われなかったという苦情に関して調査が開始された。レマン誌主筆のザフェル・アクナル氏はイスタンブル各地でソーシャルメディアを通して苦情を受けたこと、しかし動き出すためには場所が明らかにされなければならないことを示し、以下のように述べた:「苦情の裏付けとなる証拠があるかを検討している。配送会社とも話をした。彼らは視察員を送る予定だが、具体的な場所はわかっていない。数万箇所の販売所がある。場所を伝える必要がある。それも読者からの返答にしたがって行われる。どこで何が起こったのかは具体的な形で10日後の発行部数報告において明らかとなるだろう。」
■表紙を掲載した4つのサイトがアクセス禁止に
ディヤルバクルの第二簡易裁判所は、エルジャン・エズギン弁護士の申し立てを受け、ムハンマドの風刺画が掲載された週刊紙シャルリー・エブドの最新号の表紙を載せた4つのサイトに「アクセス禁止」の判決を下した。「24.com.tr」「birgun.net」「internethaber.com」 「thelira.com」のインターネット・サイトの関連ページへのアクセス禁止の判決において、以下のように述べられた:「表現の自由が世論の啓蒙の域を超え、使われる手段も目的に合わなければ、個人の宗教的価値観、尊厳や名誉を守ることの価値は、表現の自由よりも重要となる。」アメリカ国務省のマリー・ハーフ副報道官はアクセス禁止の判決を批判し、「これらは新聞社が決めるべき問題である」と述べた。
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( 翻訳者:星井菜月 )
( 記事ID:36702 )