イエメン:イエメンは分裂の危機に直面している
2015年01月26日付 al-Hayat 紙


■イエメンは分裂の危機に直面している

【サナア:本紙】

昨日、イエメンの政治諸勢力とフースィー派との間で、危機解決に至るための交渉が行われた。この危機とは、イエメンを揺るがし、憲法の空白が続いている状況下において、同国を行き詰まりの状況に陥らせたものである。議会はアブドラッブフ・マンスール・ハーディー大統領の辞任に関する臨時議会の無期限延期を発表した。イエメンでは分裂への懸念が高まっている。この分裂は、フースィー派の武力による国家支配の試みが人々に広く受け入れられなかったことに起因するものである。また時を同じくして、アリー・サーリフ前大統領の派閥の中では、フースィー勢力の指導者に対して、ハーディー氏が辞任を取り下げることや、南部運動主導の元に国を運営する大統領評議会形成には合意しないよう、説得する動きがある。

昨日フースィー勢力はハーディー大統領と辞任したハーリド・バハーフ首相両者の住居を包囲するとともに、大臣たち数名の元に武装集団を送り自宅軟禁を課した。また、サナア大学前で行われたフースィー勢力に反対する学生デモを制圧するために実弾と棍棒が使用された。20人以上の活動家が逮捕、連行され、その後の消息が分からなくなっている。

フースィー派武装グループは、イエメン空軍司令官ラーシド少将に対し、サナア空港の近くに位置するダイラミー空軍基地の本部にある彼のオフィスへ入ることを禁止した。また彼らは、各省庁と政府機関への支配を強めている。

これらの展開と並行して、アデン、ムカラー両市で北イエメンからの独立を求めている「南部運動」の構成員と治安部隊との間で衝突が起き、死傷者が出た。南部運動は、ハーディー大統領に対するフースィー派のクーデターや(サーリフ大統領体制打倒以後の)暫定プロセスの推移、国民対話会議の結果を非難し、一部で抗議が高まっている。

(後略)


*訳注:「南部運動」は、「al-Hirak」としても知られる、07年以降元南イエメンで盛んになった人民運動。北部からの完全分離を主張する派閥、南北連邦制支持派、ハーディー大統領支持派等の各派に分けられる。

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( 翻訳者:穴迫楓 )
( 記事ID:36714 )