日本のJICA、イスタンブルのハザードマップ作成
2015年03月06日付 Cumhuriyet 紙


イスタンブルの地震リスクに関する調査を行っていた国際協力機構(JICA)は、リスクのある地域を確定させ、イスタンブル広域市に通知した。このレポートに反し市は、こういった地域のかわりに、より地代が高い地域の都市再開発を開始した。
 
■リスクの高い地域は開発せず

(環境都市整備)省とJICAの都市再開発に対する基本的な地震ハザードマップは、72.9パーセント異なっていた。同省のレポートでは、最もリスクが高いとされた地域ではなく、リスクが低いとされた地域の開発が開始されていることがわかる。

JICAの地震ハザードマップと、環境都市整備省が公表した「都市再開発に対する高リスク地域」のマップは72.9パーセント一致しなかった。第1地震地帯に含まれる区では、リスクの高い場所の調査がない、もしくはないと言ってよいほどにわずかであることが明らかにされた。リスクが高いとされた区が都市の中心部に位置し、住宅価値の高い地域であることが目を引く。

およそ15年前にイスタンブル広域市とJICAの間で「イスタンブール地震防災計画基本調査協定」が調印され、協定は2001年に発効した。2001年3月に協定の一環として開始されたプロジェクトの行程は2002年9月に完了した。結果非常に包括的な科学的レポートが作成された。

■予想:7~9万人が亡くなり、60万人が家を失う

この調査では特に、起こりうる地震によってイスタンブルで被害を受けるリスクが高い地域を確定させることが目標とされた。活動によって地震被害を減少させるための新たなプロジェクトが展開される一方、短期・中期・長期で行われるべき対策が提示された。レポートでは、起こり得る地震に関し約建物7万5千棟、住宅 304万戸、900万人に対して行われた分析によると、イスタンブルでは震度7.5もしくは7.7の地震が発生した際、以下のようなことが起こると記載された。

「建物5~6万棟の重度の損壊、50~60万人の家を失った世帯、7~9万人の死者、12~13万人の重傷者、40万人の軽傷者、1000~2000の地点で漏水、3万の天然ガスボックスでガス漏れ、電線のうち3パーセントが断線、5000万トンの廃棄物、約400億アメリカ・ドルの経済的被害が発生し、100万人のための救出作戦が問題となるだろう。」

■73パーセントが一致せず

2012年に公表され、都市再開発法として知られる「6306号災害リスク下の地域の開発に関する法」を見ると、環境都市整備省が発表したリスクが高い地域は、JICAの発表したリスクが高い地域と72.9パーセントの割合で一致しないことが明らかになった。省のレポートでは、最もリスクが高いとされた地域ではなく、リスクが低いとされた地域の開発が開始されていることがわかる。

環境都市整備省は、第2地震地帯に含まれるエセンレル、ガズィオスマンパシャ、バージュラル、第3地震地帯に含まれるサルイェルで高リスクの場所を特定し公表した。その一方、第1地震地帯に含まれる、つまり最もリスクの高いカテゴリに入っているベイリキデュズ、バフチェリエヴレル、ゼイティンブル ヌ、ファティフ、ウムラニイェ、アタシェヒル、マルテペ、サンジャクテペ、トゥズラ、ペンディキといった区の、リスクが高い場所の調査は全く行われていな いか、もしくはないと言ってよいほどにわずかなものであることが目を引いた。

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( 翻訳者:粕川葵 )
( 記事ID:37066 )