塾・予備校廃止で、今度は、学校が予備校化
2015年03月27日付 Hurriyet 紙


今年9月1日から塾と予備校は閉校するか、あるいは私立高校になる。このことが第11学年を騒がせている。

伝統ある公立高校へ成績に基づいて入学した生徒の大半は、塾から学校へ変わる高校への転入を検討している。パブリックスクールも生徒を失わないために、外部講師や基礎高校となる団体と協定を結び、大学入試一次試験(YGS)や学部決定試験(LYS)対策の授業を設けている。塾や予備校が法改正で姿を消そうとしている今、高校における「大学入試対策」の選択肢は以下の通りだ。

その1.外部講師によるYGS、LYS対策授業

多くのパブリックスクールでは著名な塾講師を雇い入れ、次の教育年度からYGS・LYS対策授業を設ける。このモデルは国民教育省の最終学年の講義要目にも適応しており、大学受験対策の授業も行われる。この方法では生徒は学校にとどまり、YGS・LYSの講師たちは関係分野のみで教壇に立つ。

その2.基礎高校との連携による補習

対策を模索するのは既存のパブリックスクールや公立高校だけではない。基礎高校となる組織も学校の門をたたき、教育スタッフが大学受験対策を支援することを提案している。この方法では生徒の学籍は通っている学校に残る。基礎高校の教師が決まった日にパブリックスクールへ出向き、大学入試に向けた支援をする。多くの私立高校は、このような協定を結び始めているほどだ。

その3.自校の教員による入試対策授業

教員に信頼を置く一部の私立高校は、自校のスタッフによって問題を解決しようと努めている。これらの学校では週のうち3日間は講義要目に沿った授業、残りの2日間は大学入試対策を目的とした補習が行われることになる。教師に追加の賃金を支払って、週末にも補習を行う学校もある。
 
その4.公立高校で週末補習

物質面は限られているが成績優秀な伝統校の一部では、週末の補習を開講する。ペルテヴニヤル・アナドル高校では、11年生向けの週末補習が先週から始まった。生徒は土曜日の午前8時半から正午に、数学と幾何学の授業を受ける。次の教育年度からは講習時間の拡大が計画されている。費用は国から助成され、講習に参加する生徒には無料で教科書が支給される。名門公立高校のひとつであるイスタンブル男子高校の場合、この方法を外部講師との協定により実現させようと計画している。同校の数学、物理、化学といった専攻の教師はドイツ人で、トルコの大学入試対策の仕組みを知らないからだ。

その5.「網の目」講習

伝統を持つ公立高校で学ぶ生徒は自分の学校をやめることを望んでおらず、同時に大学入試に備えようとしている。しかし多くの名門公立高校では国民教育省の補習費用が低額なため、教師が補習で教壇に立つことを承諾しない。そこで生徒は「網の目講習」に解決策を見いだしている。「基礎高校」に変わる一部の組織が、公立高校の生徒に塾の授業料を支払いながら大学入試対策をするよう提案しているためだ。現在の高校を離れたくない生徒たちは、この方法を選んでいる。

その6.最終学年生徒の「大移動」

一部の学校では選択肢を持たない保護者が、今のうちから「基礎高校」として開校される学校へ事前申し込みしているほどだ。多くの学校関係者は現在第11学年にいる生徒のおよそ半数が、基礎高校へ事前申し込みしたと打ち明ける。この状況下で、9月には私立・公立の高校から基礎高校への生徒の「大移動」が予想されている。

■保護者への、開校許可に関する警告

教育者たちは、塾が廃止されれば子どもがどう大学受験に備えるべきかを考えて今から行動を起こそうとしている保護者に対し、慎重になるよう警告している。なぜなら、これまで国民教育省から基礎高校の名で次の教育年度に授業を始める許可を得ているのは、わずか五十三団体にすぎない。そのうちの3団体はアンカラ、13団体がイスタンブル、2団体がイズミル、残りは他の都市にある。現状では保護者が基礎高校へ事前申し込みをする際に金銭的被害を受けないよう、まず国民教育省から必要な許可を取得済みの学校リストに目を通すべきである。基礎高校となるため許可を取った団体の一覧は、国民教育省私立教育団体総局のウェブサイトで公開されている。

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( 翻訳者:川原田嘉子 )
( 記事ID:37201 )