せまる、欧州議会との「アルメニア虐殺」表記危機
2015年04月10日付 Hurriyet 紙


欧州議会は、「アルメニア虐殺」の主張を表記する決定を4月15日に承認する手筈を進めている。欧州議会のすべての政治会派が共同して、文章として承認されると思われるこの決定は、トルコに不快感を与える要素を孕んでいる。アンカラ政府が現在まで行ってきた外交的且つ政治的なやり取りは実を結ばなかった。

長い間欧州議会の決議書に反映されることはなかったが、今年が1915年の事件から100年目にあたるという理由でこれまでとは異なる意味を持つ「虐殺」の表記決定は、離散アルメニア人らが継続的且つ集中的に主張してきた論文を反映した内容となる予定だ。

アルメニアを支持し、トルコが過去と向き合いこれらの主張を認めることを要求し、事件の責任をトルコになすりつけるこの決定の「政治的側面」は、大きな影響力を持つことになるだろう。

特に、この「虐殺」を認めるという事項がトルコのEU加盟プロセスと関連付けられれば、ブリュッセル・アンカラ間の危機もその危険度が明白になる要素となるだろう。

トルコが「不公平で挑発的な」要素を、可能な限り排除しよう努力したこの決議書に関して欧州各国が別個に準備することになる草案に、「この事件はオスマンの時代に起きた」や、「この事件は歴史家らに委ねられる」といった主張が記載されることになったとしても、承認されると思われる共同の最終決議書ではこうした主張が記載される可能性は低いと予想される。

■本質的な危機点

先週、公正発展党(AKP)のアフィフ・デミルクラン国会議員やセイト・セルトチェリキ国会議員、共和人民党(CHP)のファルク・ローオール国会議員、そして民族主義者行動党(MHP)のユスフ・ハラチョール国会議員らで構成された委員会がブリュッセルでこの件に関して交渉を行い、「欧州各国議会の諸決定は国際司法裁判所の判断の替わりにはなり得ないとする」原則への注意喚起を行った。類似する別の委員会が来週にもブリュッセルに赴くことを要求しているとのことだが、欧州議会の周辺では「最終段階でのこうした取り組みはいかなる結果も生み出さないだろう」という見方が優位だ。この表記決定は欧州議会で行われる会合後、同じ日に投票で決められる。欧州議会のメンバーらのアプローチは、事実上明らかだ。注意すべき点は、現在までトルコと関わる決定や公文書において「虐殺」という主張を避けてきた欧州委員会と欧州連合理事会の会合で行われる会見が、どういった内容になるかということだ。

情報ノート:欧州議会は、「アルメニア虐殺」の主張を認める決定を1987年に承認した。先週、EU加盟国に「この主張を認め、そしてこの主張をより広く知れ渡らせるためにもっと努力する」という呼びかけを含めた決議書が採択された。28ヵ国のEU加盟国の内、11ヵ国が1915年の事件を「虐殺」として認めている。

■キムさんから赤いチューリップ

アルメニア人であるアメリカのテレビスター、キム・カルデシアンさんは、1915年の事件から100年目の節目を迎えたことを理由に、アルメニアの首都であるエレバンを8日間にわたって訪問し、昨日(9日)「虐殺記念館」を訪れた。キム・カルデシアンさんは妹のクロエさんとともに「虐殺の犠牲者」らの慰霊碑に黙祷を行った後、赤いチューリップを慰霊碑に捧げた。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:37285 )