ヴァン湖アクダマル島、ウサギ被害対策へ―すべては8匹から始まった・・
2015年04月19日付 Hurriyet 紙
アクダマル島に10年前に放されたウサギのつがい4組はその数を3000近くまで増やした。彼らの掘ったトンネルによって土壌侵食が起こったため、近隣の郡への駆除が始まった。4人のボランティアの駆除チームの活動を追った。
ヴァン県ゲヴァシュ郡にあり、歴史的なアルメニア教会があるため信仰上の旅行の重要な中心地の1つであるアクダマル島に、10年前、飼われていた島のウサギのつがい4組が放された。しかしその数は10年間で急速に増えた。自然観察協会は、2年前にウサギの数が3000羽に達したことを明らかにした。ウサギたちが樹齢100年のアーモンドの木の根を食べて新たな木が芽吹くのを妨げ、地中の巣が土壌侵食を引き起こしていることがはっきりとすると、文化観光省県支部の調整のもとウサギを集めるための行動計画が作られた。この計画は、ヴァン100周年大学野生動物保護リハビリテーションセンターが請け負った。
■1羽のウサギが1年で74羽に
計画は、2ヶ月前に着手された。これらの活動を見るために、我々は委員会のトップローマン・アスラン准教授の元を尋ねた。アスラン氏は、計画について次のように説明した。「観光地なので、キツネを放ちたくはなかった。第1段階として島に50か所の罠を仕掛け、300羽を捕獲した。夏までに「灯りによる狩り」に取り組んだ。7月以降、活動を広げる予定だ。1羽のウサギは1年に4回出産し、74羽になる。メスを1羽捕まえれば10羽の誕生を防げる。春に繁殖を食い止めれば冬にはウサギの80%を捕まえることができると確信している。」
■ライトで駆除
では、ウサギ駆除計画はどのように行われるのか?それを知るために、我々はアクダマル島に向かった。2ヘクタールの島から3000羽のウサギを駆除する取り組みを、たった4人のグループが行っている。ローマン先生とボランティアの研修生ケナン・イェシルユルトさん、ブルハン・テメルさん、ペルヴェル・テキンさんだ。狩りは旅行者に不快感を与えないよう、夜間に行われている。我々は夕方までに島の罠を点検している。かかったウサギを1つのケージも集め、再び罠を張る。島への訪問が途絶えた後、20時頃になると作戦の時間だ。明かりを持ち、チームの最大のメイングループとともに歩き始める。ケナンさんは明かりをランダムな場所に向け、横切ったウサギがいる場所に少しの間当てて驚かせる。ショックから立ち直り逃げようとしたところを後ろで待機していたブルハンさんの明かりに捉えられる。今回は逃げられず、手で捕まえられて待機場所となっているケージに入れられる。慣れている大人のウサギを捕まえるのはむずかしいが、子ウサギは懐中電灯の明かりに耐えられない。一部の巣穴は、アリスが不思議の国に落ちた穴のように人間が入れる大きさだ。
群れでウサギが動き回ったこの海岸地域の地下は全て掘られているため、地面の大部分はヴァン湖に滑りこんでしまった。木の根本や墓地の周辺は穴だらけだ。
島にウサギ狩りのためワシミミズク4羽、鷹1羽が放たれたものの、彼らも常に島に留まっているわけではないので効果はでなかった。
チームが作業を行う上での最大の妨害の1つは、「動物愛護家」だ。ブルハンさんは、「彼らは私たちが仕掛けた罠を持って行ったり捕まえたウサギを自由にしたりしている。意図は立派だが作業を困難にしている」と述べた。
■管理された「再定住」
集められたウサギを自然観察協会理事長ムスタファ・サル教授指揮下のグループが本土の新しい家に移住させている。我々は、この作業のためゲヴァシュの山間部に向けて出発した。数キロメートル進み、緑でいっぱいの地域にウサギ6羽を放した。最初は驚いていたウサギたちはすぐに新居に走った。こうして30羽ほどのウサギを2・3キロメートルの間隔を置いて群れで自然に返した。
サル教授は、「一つの地域に3羽から5羽、オスメスの数が同数になるように放しているので、コロニーを作ることができるだろう」と述べた。
アクダマル島に10年前に放された8羽のウサギは、島では天敵がいなかったため急速に数を増やし3000羽に達した。
花が咲きアーモンドの木でいっぱいの緑に満ちたアクダマル島は、ウサギにとってまるで天国だ。我々の周りには、大きさも色もさまざまな、「お前らだれだ?」と言うように私たちを見てくるウサギでいっぱいだ。
■「放っておけば5・6年で島を食いつくす」
明かりを持ったチームは、週3日寒い中にもかかわらず朝までウサギを追っている。しかし我々はそれほど慣れていないので、狩りの時間は23時頃までで、成果はわずかだ。ケージにはウサギが5羽いるのみだ。帰りにブルハンさんに、「とてもかわいいですね。残すわけにはいかないのですか?」と聞いたところ、「そうすると5・6年で島中を食い尽くしてしまう」とのことだった。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:37341 )