価格変動に左右されないアラブの食糧確保
2015年06月04日付 al-Hayat 紙

■価格変動に左右されないアラブの食糧確保の実現

【ハーフィズ・ガーニム】

2006年以降は世界的に最大の食糧の価格変動が見られた時期である。大多数の専門家は、価格の上昇傾向とその変動は中期的に続くと予想する。

特にアラブ世界はこの状況の影響を受けている。なぜならばアラブ世界の穀物の輸入量は世界最大で、必要なカロリーの半分を世界市場に頼っており、マメ類や砂糖、油脂の大幅な不足に苦しんでいる。人口の増加や、アラブの農家が直面している水、可耕地の不足が原因で、輸入品への依存は高まり、その結果輸入量は2030年までにアラブ諸国が消費する食糧の三分の二を占めることになると予想されている。

食糧・栄養供給を確保するために、ほとんど全てのアラブ諸国は極めて高い割合で輸入品に頼っている。このために、世界市場での価格が大幅に変動している段階において、ある明確な課題が提示されることになる。

食糧輸入国は二つの危機に直面している。すなわち、急な価格高騰の危機と、供給破綻の危機である。しかしアラブ諸国の食糧輸入、特に穀物輸入事情は柔軟ではなく、価格が上昇しても輸入量を削減することはできない。そのため価格上昇の衝撃を全て負担しなければならない。また食糧生産国は不作の年には、時として輸出禁止を行うこともあり、その際にはアラブ諸国は価格に関わらず食糧輸入を行うことができない。同様に戦争や内戦、自然災害も、食糧輸入中止の原因となる。

(後略)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:増澤奈央 )
( 記事ID:37720 )