選挙結果は外交にどう影響するか
2015年06月08日付 Hurriyet 紙


総選挙から出た結果は、トルコの外交政策が、これからどのような進路をとるのかという疑問ももたらした。 Hurriyet.com.trへの談話を発表した専門家たちは、単独政党の政権を終わらせた選挙が、トルコの、とりわけシリア政策における転換の理由となりうると指摘している。

・メンスル・アクギュン教授(イスタンブル文化大学教員)
「外交政策の問題において、政府と大統領の主張していることには、食い違いがあります。最終的に、政府の政策へ、大統領が言ったことを受けて、調整が行われました。しかしながら選挙から出た41%という得票率は、大統領の影響を、その比重を低めることになります。このために、すでにエルドアンがこの種の発言をする可能性は、弱まっているように思えます。

■HDPとの連立政権が結成されれば、対イスラム国政策は・・

HDPが政治の舞台に、このような形で踊り出ることは、内政と同様に外交政治においてもかなり影響を与えるだろう。HDPを含めた連立政権が結成されれば、とりわけ、イスラム国に対する闘争においてとられている政策を再び、さらにアクティブな形で位置づけなければならない。シリア政策も再検討が必要となる。

トルコのイメージは、ここ最近、西で深刻な形で悪化している。勿論、このことをただ公正発展党(AKP)の政策のみに結びつけてはならない。しかし、このイメージを回復する必要があるのだ。この回復には二つの軸が存在する。一つ目は、イスラエルとの関係だ。イスラエルとの関係を正常化したとしても、最低でも、 「暫定協定」は維持されなければならない。二つ目は、アメリカとシリア政策の問題において、距離を縮めなければならない。事実、最近、アメリカもトルコのシリア政策に歩みよっている。この最近の例は、アメリカ合衆国主導の有志連合軍が初めてイスラム国に対して、その中にはアル=ヌスラも含まれているグループに対しての援助という意味になる空からの作戦を行ったことである。

どのような連立政権が、結成されたとしても、選挙の前に延長されたマクロ政策を実行に移すことが条件である。さらにまた、キプロスにおける解決の手助けを続けることも重要である。

昨日の選挙によって、一つの条件が確保された
 EUとの関係を再び軌道に乗せることは、以下の三つの問題にかかっている。
1- EU内での展開。つまり、この問題において、トルコができることは何も存在しない。
2-キプロス問題。問題が解決されれば、13の交渉が自動的に開かれるだろう。
3-民主主義化。昨日の選挙によって、この条件は、満たされたものであるように考えられる。

■もはや、その発表も行われないだろう

もはや、外交問題においては、政府から、ヘゲモニックな発表はやってこないであろう。つまりは、「中東は私たちから問われるものである。我々は、彼らのパトロンである」という形のスタイルは変わるだろう。
しかしながら、外交政策において、急進的な変革というのは、望まれてはならない。」

・ムラト・ビルハン(元大使、トルコ・アジア政策調査プラットフォーム(TASAM)副会長

「外交政策をこのような形で続けることは、不可能だ。ヨーロッパとの関係、シリア、キプロスそしてウクライナのようなたくさんの問題において、変更を行わなければならない。この変更におけるいくつかは急進的なものになり、いくつかは、かなり子細な調整となるだろう。

■国家政策が破壊された

最近になって、国家政策が破壊され、政府の政策となった。このプロセスにおいて、正しいことも、間違いもあった。いくつかの間違いは、正しいことを排除し、そしてトルコをいくつかの問題において隅においやってしまった。政府には伝統的な方針が存在していた。共和国に初めから備わっていた外交政策の背骨があった。外交政策は、レールを外れてしまった。トルコは中東でおいてさえも、孤立化されたのだ。再び、この状況をまとめていかなければならない。このためにも組閣されることを待つ必要がある。政府においては、どの政党が占めるのか、ということが大変に重要である。しかしながら、現在のところは、大きな不確定要素が存在するのである。この不確定要素について話をするのは、簡単なことではない。」

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:37759 )