コバーニーで大規模な2度目の殺戮を行ったイスラム国メンバーが、断食月中の夜明け前の食事の後に町へ侵入し、人々を消音の武器で殺害し、こうした殺害現場に潜んで、負傷者救出に来た人々をライフルで襲撃したことが明らかになった。
急進的宗教テロ組織イスラム国が実行した最も悲惨な民間人虐殺の1つであるコバーニー襲撃の詳細が明らかになり始めた。イスラム国メンバーは、襲撃前午前3時から4時頃にコバーニーへ侵入し、サイレント機能付きのカラシニコフライフルで襲撃、出てきた人々を武器を用いて、または頭部を切断して殺害したことが明らかにされた。彼らはその後襲撃を行った家々に潜み、路地にいる負傷者や死者の捜索にやってきた人々をも銃撃したことが判明した。
■サイレンサーと爆弾
国際世論における大きな反発を生んだ凄惨なコバーニー襲撃に関してアンカラへ新たな情報が届き始めた。ミュルシトプナル国境線で起こった爆弾搭載車両による襲撃により生じた、イスラム国によるコバーニー襲撃の死者は昨日の時点で146人とされた。襲撃で負傷した凡そ200人に近い人びとを治療のためにトルコへ搬送する一方で、襲撃の詳細が明るみに出始めた。本紙が得た情報によると、武装したイスラム国の兵士たちは、攻撃前、現地時間午前3時から4時頃に5-6台の車両でコバーニーに侵入した。
コバーニーに侵入するのと同時に、車両から降りたイスラム国のメンバーのうちスナイパーと兵士たちが配置についた。同時にイスラム国の爆弾担当者は夜明けとともに町の周辺地区で作戦を開始した。
■スナイパー
イスラム国兵士は、サイレント機能付きのカラシニコフライフルを携帯して、まず各建物のドアをたたいた。まずドアから出てきた者をそのサイレントライフルで殺害し、屋内に侵入し他の家人を殺害していった。襲撃した家に配置したイスラム国のスナイパーは、明るくなるとともに、路に横たわる死者負傷者を救出しようとやってきた者をも家から銃撃した。このためクルド人民防衛隊(YPG)が“外出禁止令”を広報していたことがわかった。外出した人々がイスラム国のスナイパーの攻撃の末に命を失ったと通知された。イスラム国が地元民の一部をライフルで襲い、殺戮したことがわかった。
イスラム国兵士が町へ侵入する際に用いた爆弾を積んだ車両のうち少なくとも2台が今もコバーニーにあると言われる一方、最初の爆発と2回目の爆発の間の6時間の間、車両が見張られていたという。2回目の車両襲撃が実施された場所が古い病院があり、さらに以前の攻撃で標的となったために廃院となったという。
■ラッカにも向かったため弱体化
本紙の地元情報源は、昨年9月のコバーニーの事件の時でさえここまでの死者・負傷者を出さなかったとし、今回の報復襲撃の被害の大きさに注意を引いた。また、襲撃のためにコバーニーへ入ったイスラム国勢力が町の南西方向からやってきたという。コバーニーのYPGメンバーがラッカに向かったせいで現場に十分な防衛勢力が残らなかったとし、それまでは絶えず東から襲撃していたイスラム国が今回異なる方角から攻撃を仕掛けたことを強調した。専門家は襲撃が用意周到に計画されたことに注目している。
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( 翻訳者:進藤鮎花 )
( 記事ID:37974 )