ギリシャへ難民密入国運搬船沈没、トルコ人船長死亡
2015年06月27日付 Cumhuriyet 紙


違法ルートでボドルムからギリシャのキリムリ島(カリムノス島)へ渡ろうとした外国籍密入国者12人を乗せた高速船が沈没し、トルコ人船長が死亡した。

今日27日の午前2時頃、ボドルムのトゥルグトレイス地区からギリシャのキリムリ島へ渡ろうとしたイラクおよびシリア国籍の密入国者を乗せた高速船(全長6メートル)が、チャタルアダ付近で暴風雨の影響を受け沈没した。27日12時頃、通りがかったヨットが水中にライフジャケットを身に着け衰弱した様子の密入国者に気づき、トルコ沿岸警備隊に通報した。

■救助作業の概要

現地に到着した警備隊のボートが、密入国者10名を命に別条のない状態で保護しトゥルグトレイス港へ搬送した。長時間水中にいた密入国者のうち、低体温状態とされる1名は意識不明。救急車で国立ボドルム病院に搬送されて治療を受けた。

密入国者らの証言から、船には船長を含めた13名が乗船していたことが明らかになっている。これを受けて現地で捜索・救出作業にあたった沿岸警備隊が、 30歳前後とみられるトルコ人船長の遺体を発見した。行方不明となっているイラク国籍とみられる密入国者2名は現在も捜索が続いている。

救助された密入国者のうち、34歳のイラク人リュバイル・カラーニさんは、「トルコ人船長は暴風雨の中、ひどい操縦をしており本当に船長なのか怪しんでいた。しかし金を払ってしまっていた。船を波に垂直に近づけたため船がひっくり返り、海中に投げ出された。船長は容器に包まれて遠ざかっていった。10時間海中に漂っていたがライフジャ ケットのおかげで命拾いした」と話した。トルコ人船長の遺体が回収されると、恐怖を味わった密入国者らはこらえ切れず涙をこぼした。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:37988 )