経済危機のギリシャへトルコ人観光客増加のみこみ―現金持参を
2015年07月04日付 Milliyet 紙
ギリシャの経済危機により旅行価格が下落した結果、ギリシャはトルコ人観光客による旅行候補地としての需要が高まっている。特に断食月後にギリシャを訪れる旅行者数は大幅に増加すると見込まれる。ギリシャでは銀行閉鎖等が予想されることから、各旅行業者は旅行者らに現金を携行するよう呼びかけている。
ギリシャ経済危機による観光業の価格低下を受け、トルコ人観光客の需要が高まっている。特に断食月後に隣国を訪問する人の数は大幅に増加するだろうと予想されている。
ギリシャでの金融危機が観光業界へ及ぼす影響をアナドル通信社の記者に語ったのは、プロトントツアー・マーケティングのサルプ・オズカル社長だ。同氏は、隣国の経済危機が進行しはじめてからというもの、旅行需要は目を見張る増加をみせていると明らかにした。
オズカル社長は、経済危機によりギリシャでは「すべての価格が低下している」という感覚が、トルコ人観光客の志向に変化を生んだと語り、これは観光業界では必然の結果であると述べた。
また同社長は、トルコからギリシャを訪れるツアーは連年着実に増加しており、特に直近3ヵ月における各旅行会社へのギリシャに関する問い合わせは15%増加していると語った。
オズカル社長は、今年のギリシャの島々巡りやギリシャ文化観光ツアーは前年に比べ、60%増加していると強調し、年末までにこの割合は72%に到達すると見込みであると明らかにした。
隣国に対する関心が増加した一番の理由は、ギリシャ経済における危機により飲食代や観光施設の価格がかなり手頃な値段にまで低下たことだとオズカル社長は語る。また、「観光業界全体でみると、前年は合計90万人がトルコからギリシャへ旅行したと推定されている。今年はこの数字が15%増え、100万人に増加すると予測されている」と語った。
オズカル社長によれば、ギリシャへのツアーは、ギリシャの島々を巡る船旅(ツアーによってはビザ不要)、ミコノス島とクレタ島への航空機パッケージツアー、ギリシャ本土のアレクサンドロポリ、クサンティ、タソス島、ハルキディキ半島などの海沿いの町を車でめぐるツアーのほか、旅行会社のバスでテッサロニキ、アテネ、カヴァラ、クサンティ、アレクサンドロポリを回るプログラムなどがある。また最近もっとも人気の高いツアーの一つは199ユーロ(約2万7000円)で4日間宿泊込み、アテナにも訪問することのできるテッサロニキ~カヴァラのパッケージツアーだそうだ。
■トルコ人観光客への注意事項
オズカン社長は、ギリシャを訪れるトルコ人観光客に対して、十分な現金を携行するように呼びかけた。同氏は、「銀行ATMから必要な額を引きだすことができなくなっている。そのため現金は事前に準備してから旅行に出発しないといけない」と述べた。
不況の影響で価格が低下しているため、旅行業界には追い風が吹いていると述べるオズカル社長は、不況により前年比30%程度の潜在需要が見込まれると続けた。
オズカル社長によれば、金融危機を受けてホテルやレストランの価格も3割ほどトルコに有利な状況になっており、今後この数値以下になることは考えにくいという。また同社長は断食月後にトルコからギリシャを向かうツアーは増加するだろうと語った。
オズカル社長は、トルコへ旅行するギリシャ人の数も増えてはいないものの減少もしていないと語る。ギリシャ人観光客は、スペイン、ドイツ、フランスといった国々の代わりに、最も近い隣国であり値段も手ごろなトルコを訪れることを選ぶのだと述べた。
■断食月後に増加見込み
アヌ・トゥル・ツアー社のツアーコーディネーターであるハカン・オクセル氏によれば、[国境検査のない]シェンゲン協定署名国のなかでもギリシャはビザ取得が最も簡単で、陸海空路のいずれでも入国可能であるため、トルコ人観光客にとっては欠かせない観光先であると強調した。
オクセル氏によれば、昨年の同社の国外ツアーのなかでギリシャが占める割合は15%だったが、経済危機の影響で特に断食月後にはこの数字は25%にまで上昇することが見込まれる。同氏は、同社の企画パッケージツアー料金は69~299ユーロまで様々だと述べた。
経済危機を受けてギリシャでは現金が不足しており、オクセル氏もトルコ人観光客に旅行に十分な現金を持参するよう勧めている。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:38069 )