中国人と間違えられた観光客に暴力
2015年07月08日付 Milliyet 紙


在アンカラ・タイ王国大使館の前で、ウイグル人のために行われたデモにおいて、中国人だと勘違いされた女性観光客がデモ参加者によって攻撃された。警察は大きな恐怖に遭遇した女性を力づくで(デモ隊から)遠ざけた。

東トルキスタンで発生した事件に抗議の意を申し立てるために、タイ王国大使館の前に集まったデモ隊の前を通ろうとした女性観光客は、デモ隊によって髪を引っ張られるなどの攻撃を受けた。警察隊が間に入り女性を盾の後ろに避難させ、デモ参加者を鎮静化させた。

■名誉領事:私はトルコ人で、イスラム教徒だ

一方、タイで待機させられている200人の東トルキスタン人が中国に送還されることを理由に、昨晩、イスタンブルのシシュリにある在イスタンブル・タイ王国名誉領事館が攻撃を受けた。

■その瞬間

レフィキ・ギョクチェキ在イスタンブル・タイ王国名誉領事は事件を批判し、次のようにコメントした。
「これは単なるデモではない、領事館の中に侵入し、攻撃し、損害を与えた事件である。大変遺憾であり、怒りを覚える。物理的損害は全くもって重要ではない。すべて元通りになる。水槽の中の魚以外に、誰も亡くなった者がいなかったことは不幸中の幸いだ。」

領事館の建物内ではコンピューターはすべて破壊され、他にも窓ガラスから壁に掛かっている絵の額縁に至るまで何もかも破壊された。そして、そこにあった大きな水槽も昨晩攻撃の対象となったことが分かった。水槽のガラスは襲撃者によって破裂し、中にいた魚がすべて死んだことが分かった。

■このような攻撃は我々に損害を与えただけだ

事件が発生したシシュリ・コレシェヒトレリ大通りミトハト・ウンリュ通り上にある領事館の建物では、職員らによる清掃作業が朝早くから始まった。出張のため外国にいたレフィキ・ギョクチェキ在イスタンブル・タイ王国名誉領事は、トルコに帰国してまず事件現場を訪れ、建物内での検証を行った。レフィキ・ギョクチェキ領事は メディア関係者の事件に関する質問に答え、(タイに対する)批判が間違ったものであること、デモ攻撃がトルコに損害を与えたということを述べた。ギョクチェキ領事は、自身が2000年からずっと名誉領事館の仕事をしてきたことを述べ、次のように続けた。「ここは在イスタンブル・タイ王国名誉領事館だ。そして私はトルコ人として、またイスラム教徒として、ここの領事である。このようなデモ攻撃は、単に我々自身に損害を与えるということを意味する。このデモ攻撃が中国の決定を変える、あるいはタイの決定を変えるという意味において有効であるとは思わない。これは単なるデモではない、領事館の中に侵入し、攻撃し、損害を与えた事件である。この観点から、大変遺憾であり、怒りを覚える。物理的損害は全くもって重要ではない。すべて元通りになる。水槽の中の魚以外に、誰も亡くなった者がいなかったことは不幸中の幸いだ。」

■「(デモ参加者は)水槽のガラスを破裂させたようだ」

事件が起きた時、レフィキ・ギョクチェキ領事はサウジアラビアにいたと述べ、関係者が自身に電話をかけ状況を知らせたと言った。ギョクチェキ領事は「すべてのコンピューター、家具が被害を受けた。ガラスや額縁が割られた。水槽が一つあったが、それもガラスを破裂させたらしい。アタテュルクの美しい油絵も あったが、それも破ってしまったらしい。しかも風呂場のシャワー室に至るまで破壊したらしい。物理的な被害の他には何もなかったのが不幸中の幸いだ。」

■「警察が護衛を提供しようとしたが、いらないと言ってしまった」

ギョクチェキ領事は領事館が入っている部屋の反対側が、自身が所有する建設会社のオフィスとして使われていることを述べ、攻撃がトルコの会社にも被害をもたらしたと述べた。ギョクチェキ領事は東トルキスタンで発生した事件を受けてトルコで行われたデモについて、イスタンブル警察署が領事に警告をしていたことを述べた。領事は「2か月前にこのデモが最初に発生した際、警察署の方が私を訪問して、警告をしてくださった。それどころか私に護衛を提供しようとしたが、私は必要ないと言った。どうして無駄に警察官の世話になろうか、このような物ものは必要ないと言い、提案を断った。私はトルコ人だし、ここは外国ではない、よく知っている場所だ。もし誰かがここに来るならば、私は彼らに必要事項を説明できる、と考えたのだ。しかしメディアやSNSでの昨日発生した事件の映像や写真から、彼ら(デモ参加者たち)が人から何かを聞き、理解できるような状態にないということが見て取れた」と話した。

■訴えたりはしない

ギョクチェキ領事は襲撃者たちを訴えたりしないことを述べた。そしてある質問に対し、領事館にはタイ国籍の職員がいないことを述べた。

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( 翻訳者:渡辺夏奈 )
( 記事ID:38113 )