テロリズムというコマを使うアメリカのゲームの舞台裏(3)
2015年07月02日付 Jam-e Jam 紙
このように、アン=ヌスラ戦線やシリア・イスラーム解放戦線、そして自由シリア軍といったテロ組織は、アメリカによる支援に関する資料が〔ウィキリークスによって〕公にされたもう一つの例である。これらは同国による西アジア地域へのテロ支援・介入のほんの一部にすぎず、その他の資料もテロ組織に対する米政府の国際的支援を示唆している。
これに関し、〔アメリカによるテロ支援についての〕さらなるリストを指摘することが可能であり、それはさまざまな時期にアメリカ自身によって確認されている。反ボリバル主義のテロリストたちやチベット分離主義者の活動、ユダヤ防衛同盟、そしてブラックパンサー党の活動に対する同国の支援を、こうしたもののもう一つの例として挙げることができよう。
検察官の位置に被告人が!
興味深いのは、先週アメリカ国務省がテロリズムの状況に関する年次報告書の中で、イランについて言及し、そこでこの国をテロ支援国家のリストのなかに位置付けたことである。P5+1とイランの間で核問題をめぐる包括合意の文面が作成されている中で、こうした報告書が発表されたことは、あらかじめ仕組まれた目的に沿うものだったように思われる。
イラン外務省の報道官はこの報告書を、実際に起きている事実から乖離しているとし、さらに信用に足りないと述べた上で、イランはここ三〔十〕年間で最大のテロの被害者だと指摘している。
実際のところ、このような〔「テロ支援国家」というアメリカによるイランへの〕相も変わらぬ非難は、イランに対するテロリズムを支援してきたアメリカの過去と矛盾するものであり、むしろそれは〔テロに関する〕同国の偽善的な視線と一致するものであって、同国が「テロとの闘い」という考え方を道具的に利用しているだけだと考えるべきなのである。
アル・カーイダやターリバーンといった西アジア地域で活動する旧タイプの〔テロ〕組織の形成にアメリカがどのような役割を演じてきたのか、そして同国が「偽善者たち」〔※MKOのこと〕をいかに支援してきたのか、その小史をみるならば、イラン・イスラーム共和国に敵対するテロ組織の設立と強化に、アメリカが特別な役割を果たしてきたという命題が補強されるだろう。
当然、イランに対するこうした敵意とは別に、こうした組織の地域における活動によって、アメリカは別の利益も手に入れることになる。すなわち、同国の〔中東地域における〕プレゼンスの継続と地域問題への介入が、テロ組織の活動によって保証されているのである。
〔アメリカの〕こうしたアプローチの源流は、革命的な学生たちによって公開された、在テヘラン・アメリカ大使館の資料〔※〕の中でも確認できる。特に、〔アメリカは〕イラン・イスラーム共和国の体制を転覆させる為に、〔イラン国内における〕複数の民族の存在を潜在的な可能性として利用しようとし、またテロ組織の活動も利用していたことが、こうした資料から確認することができるのである。
※訳注:1979年11月にホメイニーを信奉する学生たちによって、在イラン・アメリカ大使館が占拠され、その結果アメリカの外交機密資料が暴露されたことを指す。
つづく
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( 翻訳者:8411168 )
( 記事ID:38172 )