ダーイシュの戦略に変化
2015年07月02日付 Mardomsalari 紙
カリフ制の国家を樹立するために血みどろの戦争をシリアおよびイラクで展開しているダーイシュは、最近、これらの国において新たな地域を占領する一方、自らの占領地域の一部を失っている。ダーイシュの動きを示す最新図を見ると、この組織が経済的資源の占拠にかなりの重点を置いていることが分かる。
イラン学生通信(ISNA)がニュースサイト「ビジネス・インサイダー」を引用して伝えたところによると、このテロ組織の勢力範囲の拡大の裏には、別の動機も存在するという。ダーイシュは過去一年間で、シリアとイラクの一部地域を占領し、それ以降カリフ国家樹立を宣言している。
ダーイシュは世界各国で支配領域を拡大する一方で、石油の販売から収入を得るために、石油という観点から見て豊かな地域の占領に、これまで力を入れてきた。今月に入って、ダーイシュは、イラク最大の精油所を擁するバイジー市とその周辺への圧力を強化している。シリアにおけるダーイシュの動きを示す最新図から明らかなように、この組織はイラクおよびシリアにおける進軍の過程で、原油やガスを産出する地域を占領している。
ダーイシュはまた、現在シリアの油田およびガス田の大部分を支配している。〔身代金の要求などの〕ゆすり・恐喝、ならびに徴税がダーイシュの主な収入源ではあるが、石油収入も依然としてこの組織にとって重要である。これより前、2014年にニューヨークタイムズは、ダーイシュが石油売却だけで約1億ドルの収入を得てきたことを、リポートのなかで伝えている。
こうした中、対ダーイシュ有志国連合は、この組織の財源を断つ目的で、ダーイシュの支配下にある石油インフラへの空爆を行っている。〔‥‥〕ダーイシュは資金調達だけでなく、エネルギー源をコントロールすることで、敵、特にシリア政府を屈服させようと試みている。
これに先立ち、ダーイシュはホムス県のガスパイプラインを爆破している。このパイプラインは、ガスをダマスカス及びホムスの周辺に輸送し、発電や熱エネルギーの生産に必要な燃料を供給していた。
このテロ組織はまた、最近になってパルミラの中心都市を占領した。この都市の占領により、ダーイシュはシリアの主要なガス田の支配権を握ったのである。実際、パルミラのガス田はシリアの主なガス採収源であり、シリアの人口の大部分が居住する地域の全ての発電所に、ガスを供給している。ダーイシュはパルミラを占領することで、シリア政府から45%の電力源及びガス資源を奪い取っている。
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( 翻訳者:TC )
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