シリア側から銃弾、兵士1名死亡
2015年09月01日付 Radikal 紙

キリスで、IS(イスラム国)の支配地域からトルコ国境に向け攻撃が行われた。キリス県のタプスズ知事は、兵士一人が死亡、一人が行方不明であると発表。

シリア国境に面するキリスで、ISの支配する地域からトルコの国境に向け銃撃が行われた。キリス県のスレイマン・タプスズ知事は、事件についての会見で、シリア側からトルコへ入国を試みた密入国グループが警備兵に銃弾を放ったことを明らかにした。

タプスズ知事は、「我が国の兵士一名が残念なことに犠牲となり、我が国の兵士一人の行方が不明」と話した。知事は、会見で記者らに対し、シェヒト・メフメト国境駐屯地の管轄地域で密入国グループと銃撃戦が繰り広げられたことを明らかにした。

■密入国グループと銃撃戦に

キリス県のスレイマン・タプスズ知事は、病院を訪れ関係者から情報を収集した。知事は、病院で行った会見で今日夕方、シェヒト・メフメト国境駐屯地で任務に当たり、国境線沿いにあるアルドゥチュル村を巡回していた兵士らに対しシリア側からトルコに入った密入国グループが銃撃を浴びせ、兵士一人が死亡、兵士一人が行方不明になったことを明らかにした。知事は次のように話した。

「本日18時ごろ、シェヒト・メフメト国境駐屯地の防衛エリアで国境警備を行っていた兵士らに向けてシリア側からトルコに入った密入国グループによって銃撃が行われ衝突が起きた。我が国の兵士一人が残念なことに命を落とし、一人の行方が分かっていない。兵士の詳細に関しては調査が行われている。この 地域はダーイシュ(IS)の支配下に置かれていた地域である。今のところ分かっている情報は以上である。」

■トルコ国軍からも発表

さらに、トルコ国軍も今回の事件について発表を行った。
軍の公式HPに掲載された発表は次の通り。

「2015年9月1日18時15分頃、陸軍司令本部キリスシェヒト・メフメト国境駐屯地で任務にあたっていた兵士に、国境のシリア側のテロ組織ダーイシュの支配下にある地域から放たれた銃弾により、勇敢な仲間である兵士一人が重傷を負い、すぐさま救急車で病院に搬送されました。兵士は病院で行われたあらゆる治療の甲斐もむなしく、息を引き取りました。
一方、銃撃戦の最中兵士一人と連絡が途絶えたため、捜索活動とエリアでの掃討作戦は引き続き行われています。
我々に深い苦しみと悲しみをもたらしたこの卑劣な攻撃において、命を落とした勇敢なわれらの仲間にアッラーのお慈悲を、また誇り高きご遺族、わがトルコ国軍に従事する者、そして信愛なるトルコ国民にアッラーのご加護と忍耐を授けられますよう、お祈り申し上げます。
これをもって発表とさせていただきます。」

■犠牲となった兵士のプロフィールが明らかに

公正発展党キリス選出のレシト・ポラト議員は、亡くなった兵士が、シャンルウルファに戸籍をもつユスフ・ベイレムさんであることを明らかにした。
ポラト議員は、病院の入り口でアナドル通信社に向けておこなった発表で、今回のようなテロ事件がここ数日頻発していたと発言した。ポラト議員は次のように話した。

「亡くなったのはシャンルウルファ県アクチャカレに籍を置くユスフ・ベイレムさん。国民の皆様にお悔やみを申し上げます。今回のようなテロ事件はいつでも起こり得ます。アッラーよ、わが国民へ力を与えたまえ。彼を失ったのは何と悲しいことだろう。多くを語る必要はない。安らかに眠りますよう。」

■殉職兵の実家にも訃報が

キリスで亡くなったユスフ・ベイレムさんのアクチャカレにある実家にも訃報が届いた。アクチャカレ郡のエユプ・フラト郡長、同僚で第二国境警備軍歩兵団のギュルカン・ウシュル少佐、アブドゥルハーキム・アイハン市長、軍警察のジェム・ユルマズ大尉、アクチャカレ警察のメフメト・チェティン署長、そして亡くなったベイレムさんの隣人や近親者らが弔問に訪れ、痛ましい報告を共有した。

■駐屯地での勤務を希望

訃報を聞いたベイレムさんの家族が悲しみに包まれる中、救急隊員112名が救急車で家の前に待機した。
叔父のアリ・ベイレムさんは、記者のインタビューに応じ、ユスフさんは5月に入隊し、配属が決まる前にキリスにある部隊に移され、両親がその後彼を訪問したと話した。

また甥であるユスフさんに三日前に電話をかけたがつながらなかったと話すアリさんは、9人兄弟の4番目であるユスフさんは結婚もまだであったと話した。

また犠牲となった殉職兵の父親は、ガーズィアンテプにいる病気の叔父と一緒にいたところに、電話でその訃報を受け取ったことも明らかとなった。

■ガーズィアンテプでさらに2度の爆発

またガーズィアンテプのカルカムシュ郡の国境の対岸にあり、IS支配下にある町ジェラーブルスで二度の爆発が起きた。カルカムシュ対岸のシリア、アレッポ県のIS支配下にあるジェラーブルスでは夕方ごろ、原因不明の二度の大きな爆発が起こった。カルカムシュにほど近い地点では大きな爆発音とともに起こった爆発のあと、煙が立ち上る様子が確認され、国境のトルコ側では、国境警備軍による警戒態勢が取られた。

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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:38561 )