タイ首相のプラユト・チャンオチャ氏は、8月17日に首都バンコクの寺院で発生した爆破事件に関して、9月3日朝、2人目の容疑者が逮捕されたと発表した。
アメリカのAP通信の情報によると、タイ首相は、この人物は、爆発の間防犯カメラに録画された映像から、バックパックをエラワン寺院の手すりに吊り下げた後その場を離れた「黄色のTシャツ」の人物に似ていると話した。国境付近で逮捕された容疑者はユスフ・ミエライルという名前で、偽造の可能性がある中国のパスポートを所持していた。
■偽の身分証
パスポートの情報によると、犯人は、ウイグル人の居住する新疆ウイグル自治区で生まれ、パスポートは同地区の当局から受け取った。先週金曜にバンコクの一地区で、アデム・カラダーという容疑者(パスポートによる情報)が逮捕された。しばらく後に、タイ警察は強制捜査で拘束された人物がバンコクでの事件を起こした罪ではなく、「爆発物」を所持していたことで訴えられていることを明らかにし、容疑者のパスポートが偽造であったことが確定したと発表した。在トルコタイ大使は問題の人物がトルコ人ではないことを明らかにしている。
■200冊以上のパスポート
バンコクで拘留されたこの容疑者の自宅で行われた捜索では、少なくともそのうち11冊がトルコのものである、200冊以上の偽造パスポートも押収された。土曜日に容疑者が拘束されてから、先週日曜日、バンコクで2件目のアパートが家宅捜索された。警察は、爆弾を作るために使用された肥料、火薬、釘、ラジコンカーを押収した。26歳のタイ人ムスリマであるワンナ・スアンサンという女性がアパートを借りていた発表された。一昨日ワンナ・スアンサンに対して捜査令状が発行された。捜査中の昨日、アリ・ジョラン、アフメト・ボゾウラン、名前の発表されていない人物の計3人のトルコ人の身分証を持つ者たちに対して逮捕状が出されたことが発表された。しかし、これらの人物が本当にトルコ人であるかは明らかではない。
■事件の背後には誰がいたのか
首都バンコクでの事件の容疑を誰もが否定している。この状況は様々な推測を呼んだ。AFP通信によると、タイ警察は、事件発生の少し前にある大きな人身販売ネットワークを摘発したことに対する報復である可能性があると発表した。これに対し識者らは別の理由もありうると述べている。タイ当局は容疑者が中国で迫害を受けているウイグル自治区出身であることから事件はその独立運動に関係している可能性があると発表した。エラワン寺院が特に中国人観光客の間で人気があることもこの問題が事件に関係しているという推測を高めている。先月7月にはタイ政府は109人のウイグル人を中国へ強制送還していた。
■「カイセリに住んでいる」
タイ当局は捜索しているワンナ・スアンサンという女性は国外にいることを認めた。しかしどこにいるのかは発表されなかった。フランス のAFP通信は、ワンナと一昨日遅くに連絡をとった。電話に出た女性はカイセリで夫と共に暮らしていると話した。スアンサンは夫がどの国の出身であるか話さず、爆発には関係ないと主張した。ワンナは夫の友人の一人にアパートを貸していると主張した。タイでワンナが暮らしていた村の村長であるイブラヒム・コムクハム氏は、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に応じ、この女性容疑者が自身に電話をかけてきたと述べた。ワンナは6月にアパートを離れたため、何故容疑を受けているのかを知らない。AP通信によると女性の親戚は、ワンナの夫はトルコ人であると述べたという。
■情報メモ
タイの首都バンコクのビジネス街ラジプラソングで、8月17日、毎日何千人もの観光客が訪れるエラワン寺院付近で爆破事件が発生し20人の命が失われ120人が怪我をした。
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( 翻訳者:八木美保 )
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