朝は難民幼児の遺体、午後は海水浴・・・
2015年09月03日付 Hurriyet 紙


ボドルムに、昨日の朝、子供5人を含む12人のシリア人の遺体が打ち上げられた。天国のようなリゾート地からのこの写真は、トルコにも、世界にも、衝撃を与えた。戦火をのがれた何百万の人々のドラマを、この写真から誰もが感じ取った。希望に満ちた船出の結果、岸に打ち上げられたこのかわいい子供の姿は、議論の的となっている。トルコでも、世界でも、この写真が語られている。一方、早朝に悲惨な事件の現場となった海岸での暮らしは、時がたつにつれ、急速に正常化している。

ムーラ県ボドルム郡から、ギリシャのイスタンキョイ島に渡ろうとして沈んだ2つのボートのうちの一つに乗っていて亡くなった3歳のアイラン・クルディちゃんと、5歳のガーリプ・クルディちゃんと、まだ氏名不明の子供の遺体が打ち上げられているのが早朝にみつかったアリ・ホジャ・ブルヌ海岸では、昼からは、通常の生活が戻っている。

■トルコと世界の世論を二分

近隣の別荘の住人や、国内外からのツーリストは、この海岸にきて、この事件のことを知らずに、日光浴をしたり海水浴を楽しんでいた。小さな子供たちは、しばらく前に同世代の子供の遺体があった海岸で、砂遊びを楽しんでいた。夕刻になり、アリ・ホジャ・ブルヌ海岸の灯台に灯がともると、この遺体の上がった海岸から難民らがむかったイスタンキョイ島が、肉眼でもうかびあがっていた。

■(難民の)出航の阻止ができない

アクヤルラルに住むエレン・ジェリキ氏は、「とくにここ2か月、ギリシャの島への密航が急増し、とてもではないが、軍警察も沿岸警備隊も、それを止められないでいる。密航者が、みすみす死への無謀な旅にでていることは明らかだった。しかし、ご覧のように、ここでの日常生活は続いている。人々は海水浴を楽しんでいるんだ」と述べた。

ボドルムから違法な手段でギリシャに渡ろうとして出発した最初のゴムボートでなくなった2人の兄弟の名前が、11歳のザイナブ・アフメト・ハディちゃんと、9歳のハイダル・アフメト・ハディちゃんであることがわかった。母親のゼイネプ・アッバース・ハディさんは、3人の子のうちの2人が遺体をみてショック症状をおこした。ハディさんは、自分同様、命の助かった7歳のラワダ・アフメト・ハディちゃんを抱きしめて、なんとか慰めを得ようとしていた。亡くなった子に、最後のキスをさせてほしいと(警察に)求めていた。

■17人が乗船

この密航事件で助かったシリア人のオマル・モフスィンさんは、夜中の2時頃に出発したのち沈んだボートから泳いで、命からがら岸にたどり着いたと語った。モフスィンさんは「兄弟のベキルを探している。みつからないんだ。乗り込んだボートは10人乗りだったんだそうだ。それに17人がのせられた。兄弟と一緒に、一人当たり、2050ユーロを払ったんだ。」

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:38570 )