バグダードで誘拐のトルコ人労働者18人の映像、公開される
2015年09月11日付 Cumhuriyet 紙


イラクで誘拐された18名のトルコ人労働者らとともに初めて映像を公開した襲撃グループは、エルドアン大統領へ以下の要求を伝えた。武装集団の通行、クルドが所有する石油の輸出、そしてアレヴィー派への包囲攻撃、これら3つの停止だ。

イラクの首都バグダードのシーア派住民が暮らすサドゥルで、9月2日に誘拐された18人のトルコ人労働者らの映像が初めて公開された。今回、自身を「暗殺集団」あるいは「死のグループ」と呼ぶ覆面の襲撃者らは、「われわれはフセインの指揮下にいる」と書かれたプラカードの前に立ち、襲撃当初から疑われていたようにシーア派のグループであるという印象をもたせた。誘拐の理由をタイイプ・エルドアン大統領の外交政策であると示したこの襲撃グループは、人質解放の条件として身代金ではなく、政策転換を要求した。3分間の映像の最後には箇条書きで画面に表示もされた政治的要求は、以下のとおりだ。

1)トルコからイラクへ武装集団を送り込むことをやめろ。トルコ軍は手を引け。

2)盗まれた石油のクルディスタンからトルコへの輸送を停止させろ。

3)シリアのアレヴィー派村落を始め、イドリブに住むフォアやケフェルヤ、そしてアレッポのヌッブルやゼフラといった人々に対する包囲攻撃を撤廃しろ。

■「お前たちの民兵だ」

包囲攻撃下にあるヌスラ戦線や、アフラル指揮下のファーティヒ軍に対して「お前たちの民兵」という表現を用いたこの襲撃グループは、「エルドアン大統領と政党が」彼らの要求を受け入れず、またここで挙げられた村落への基本的な生活必需品の移送を許可しなければ、「イラクにおけるトルコの利益やスパイを、可能な限り甚大な形で潰す」という脅迫を主張した。

■一人の労働者からのメッセージ

この映像では、(誘拐された)労働者らが一人ひとり自身の出身地や名前を述べた。ある一人の労働者はエルドアン大統領に向けて、「私たちは賃金を得るためにイラクに来た外国人労働者です…今、私たちは一部の外交政策の、無意味で一貫性のない事柄の結果として、犠牲になっています」と話した。ヌロル・ホールディングスは、外務省とバグダード大使館が共同で人質となった労働者らの救出に向けて動いていると伝えた。

■名前が悪い連想をさせる

アメリカ合衆国によるイラク占領の際、スンナ派の反乱軍に対してその損失が補填された後、エルサルバドルで暗殺集団を指揮したジョン・ネグロポンテ氏がバグダード大使に任命された。2005年、イランと密接に関わりをもったイラク出身のシーア派民兵であるべディル・トゥガイらが、スンナ派住民に市民と反乱軍の区別なく襲撃をしたことにより、イラクでは宗派間戦争が始まった。スンナ派住民に対して電気ドリルによる拷問を行うほどの罪を犯したシーア派民兵らは、「暗殺集団」として呼ばれるようになった。2006年2月にサーマッラー県にあるシーア派軍事モスクにおいて、台座に固定された爆弾での襲撃という虐殺事件を起こしたことは、スンナ派住民に対して虐殺という恐怖心の波を高まらせることとなった。今回は、反米のイラク国家主義マフディー軍もスンナ派住民に対する攻撃に参加している。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:38650 )