メッカ巡礼事故、トルコ人犠牲者は少なくとも4名
2015年09月25日付 Radikal 紙


サウジアラビアのサルマン国王は、753人が亡くなり、887人が負傷した巡礼の集団事故を受けて、巡礼組織の整備と、安全措置の再検討、そして「高等捜査委員会」の設立を指示した。

犠牲祭の初日、ミナの悪魔投石道で2つの歩行者グループが交錯したことで起きた混乱で、753人が死亡したことに対し、サウジアラビアのサルマン国王は、安全対策の再検討を求めた。サルマン国王は、巡礼組織の整備と、安全対策の再検討、そして高等捜査委員会の設立を指示した。

巡礼の祈りを捧げるために、200万人に近い巡礼者が集まるミナの悪魔投石道で、現地時間9時頃に起きた混乱で少なくとも753人が圧死した。この事故は、悪魔を表す3つの石塔があるジェマラー広場へ続くジェマラー橋の入り口、204番と233番の通りが交差する場所で発生した。各方向から来る数千人もの巡礼者の集団がぶつかり合った結果、何百人もの巡礼者が、恐ろしい形でつぶされた。

■警察が道を空ければ起きなかった

難を逃れたサウジアラビア国民のA.アブドゥッラー・アル・ジェブリンさんは、「大混乱が起きて、巡礼者たちはわき道に逃げ込もうとしたが、警察は許可しなかった。警察が道を空けていれば、ここまで大勢の人が死ぬことはなかった」と話した。

トルコ人巡礼者の一人、実業家のジョシュクン・エルグンさんは次のように説明した。「前進していたとき、50メートル毎に警官が配置されていた。警官が私たちを立ち止らせる度に、後ろの方から凄まじい圧力がかかり、骨が折れそうになるのを感じた。我々が最後のストップ地点を過ぎてから30分後にこの事故が起きた」

■「子供たちもいた」

混乱を目撃したBBCのリポーター、Tchima Illa Issoufouさんは、恐ろしい光景について以下のように説明した。
「人々が投石の方向へと進んでいるとき、別のグループも向こうからきていた。一瞬でカオスが発生し、人々が転倒し始めた。ナイジェリア、チャド、セネガルの人もいた。皆互いを押しのけながら安全な所へ逃れようとしていた。この間に何名が死んだ。混雑の中には子供や若者もいた。人々は助けを求めながら地面に倒れていた。しかし、そこに手を差し伸べるものはいなかった。

■4人のトルコ国民についての凶報

メッカの礼拝管理センターが行った説明で、ミナで起きた混乱で、4人のトルコ人が亡くなったことが明らかになった。行方不明者の5人のトルコ人の安否に関する調査も続いているという。死亡した4人は、イズミル、シヴァス、サムスン、そしてヨズガトから聖地に来たことが発表され、個人情報は、家族に知らされた後公表される。

■イランは3日間の服喪を宣言

イランの宗教指導者、アーヤトッラー・アリー・ハーメネイー師は、ミナでの事故で命を落とした人々のために3日間の服喪を宣言した。師のホームページ 「leader.ir」に掲載されたメッセージで、ハーメネイー師は、ミナで起きた事故はサウジアラビア国家の責任だとして次のように述べた。
「サウジアラビアは、この痛ましい事故における責任を認め、公正と慈悲に従い、責務を果たすべきだ。この悲劇の原因となった誤った方針と運営が見逃されてはならない。」
ハーメネイー師はまたメッセージで、遺族らに哀悼の意を表し、イランの3日間の服喪を宣言した。

イランの公営報道局イルナは、事件で亡くなったイラン人の数が95人、負傷者が150人にのぼったことを伝えた。

■厚生大臣、巡礼者を非難

サウジアラビアのハリド・アル・ファリフ厚生大臣は、ミナで何百人もの死亡者を出した悲劇について、「無秩序な」巡礼者を非難した!ファリフ大臣は、驚きを与えたその声明で、「巡礼者が指示を守れば、この悲劇は起きなかった」と発言した。
AFPの報道によると、大臣はアフバリヤ紙の取材に答え、巡礼者が当局の示した「プログラムを守らずに行動した」ことが、「事故」の一番の原因だと主張した。

■トルコの反応

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、ミナで起きた悲劇について声明を出し、「ミナで起きた悲劇で200人を超える巡礼者がなくなったことに対する深い悲しみの中にいる」と述べた。
大統領は犠牲者を慰霊し、遺族らがこの悲しみに耐えられるよう祈り、「負傷した我々の兄弟へも、一日も早い治癒を願います。カーバ神殿のクレーン事故も含め、この大巡礼の季節にあの世へ行った兄弟たちへ神の慈悲がありますように。全てのムスリムにお悔やみを申し上げる」と話した。

アフメト・ダヴトオール首相は大巡礼の悲劇について、「この神聖な日に聖地から届いたニュースは我々全員を悲しみに包んだ。神への道を歩んでいたときに亡くなった全てのムスリムの兄弟に偉大なる神のお慈悲があるよう祈ります」と話した。

HDP(人民の民主主義党)のセラハッティン・デミルタシュ共同党首は、「全員に神の慈悲がありますように。トルコを統治するものは、サウジアラビア政府に強く警告するべきだ。聖地はサウジのものではなく、イスラムの聖地である。この殺人事件は、冨を自らのために際限なく消費し、大巡礼組織を未だに観光収入として利用しようとする精神が招いたものだ。」

■世界の反応

パン・ギムン国連事務総長は、メッカの惨事に心を痛めていると話した。パン事務総長は、犠牲者の遺族らへお悔やみを述べ、今回起きた惨事が「悲劇的」であると評した。 ドイツのフランク・ヴァルター・シュテインマイヤー外務大臣は、「衝撃を受けている」と述べ、犠牲者の遺族と巡礼者の悲しみを共有すると述べた。アメリカのオバマ大統領、カトリック世界の指導者フランシスコ法王、イギリスのキャメロン首相、イギリス労働党のジェレミー・コルバイン氏も哀悼の意を表明している。

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( 翻訳者:矢加部真怜 )
( 記事ID:38742 )