9月2日、イラクの首都バグダードで、ヌロル建設の建築現場から誘拐された16人のトルコ人労働者が、今朝未明開放された。バグダードの55キロ南にあるケルベラという道で開放された労働者らを、ファールク・カイマクジュ・バグダード大使が引き取った。エルドアン大統領の指示を受け、特別機ANAがイラクで解放されたトルコ人労働者らをトルコへ帰還させるべく、バグダードへ飛び立った。トゥールル・トゥルケシュ副首相、メフメト・ミュエッズィンオール保健相、ニハト・ゼイベキジ経産相、そしてファフリ・カスルガ大統領秘書がこれに搭乗し、バグダードへ向かった。
ダヴトオール首相は解放されたトルコ人労働者の状態と進展に関してソーシャルサイトTwitterで次のように発言した。
「一時期バグダードで捉えられていた我が国の16人の労働者が、少し前にバグダード大使館により保護された。一部の労働者と電話で話したが、喜ばしいことに彼らの健康状態は良いようだ。一刻も早く母国に戻れるようあらゆる準備が進められている。この間、労働者のために多大な努力をしてくれた全てのイラクの友人に心から感謝している。また、人質の家族・友人の皆さんをねぎらいたい。イラクが再び進歩するために、これまでと同じく我々トルコ政府、企業、及び市民はこれからもイラクの傍らに居続ける。」
■ケルベラの道で解放
トルコのバグダード大使、ファールク・カイマクジュ氏は、ヒュリエット紙に以下のように語った。
「今朝未明、我々の大使館に労働者たちから、解放されてバグダードの55キロ南にあるケルベラの路上にいると電話が入った。彼らにそこから動かず、道路の下で我々を待つよう伝えた。それからイラク当局へこれを知らせ、労働者たちを迎えに車7台で出発した。今から労働者と共にバグダード大使館へ向かかう。全員、健康状態は良好だ。彼らが言うには、酷い扱いを受けた者はおらず、客人のようにもてなされたそうだ。バグダード大使館に到着後、イラク当局が彼らの口述をとる。それが完了し次第、今日若しくは明日、彼らを飛行機でトルコへ連れて帰る予定だ。」
■封筒の中には200ドル
解放された労働者らは新しい服を着ており、シーア派民兵が全員にコーランと200ドルが入った封筒を渡していたことが分かった。
■2名のイラク人兵士が死亡
アナトリア通信社の情報によるとカイマクジュ大使は、バグダード作戦司令部により労働者保護のため始められた活動の最中に、2名のイラク人兵士が亡くなったことを明らかにし、彼らの魂に神の慈悲を祈った。
カイマクジュ大使はバグダードで交渉したイラク側関係者から受けた支援について語り、「ハイダル・アル=アバーディ首相、ハリード・アル=ウベイディ防衛省、アブドゥルアーミル・シャマリ-・バグダード作戦司令官、シーア派最高権威である大アーヤトッラー、アリー・シスターニ-師、サドル派指導者のムクタダー・アル=サドル師、ハディ・アミリ-ベディル活動指導者、そして最高イスラム会議指導者のウマル・アル=ハーキム師」の尽力に感謝の意を示した。
■「重要な成功」
ヌマン・クルトゥルムシュ福首相兼政府スポークスマンは、トルコ人労働者が解放されたことに関して、「彼らの家族に、我が国の国民にお祝いを申し上げる。この難事をトルコが無事解決することができたのは、本当に喜ばしいことだ」と述べた。
オルドゥ県を訪れていたクルトゥルムシュ副首相は取材に答え、バグダードで攫われたトルコ人労働者が解放されたことに関して「我々は労働者が攫われた初日からどこにいたのか、どのような形で、どの条件で捉えられたのか情報を持っていた。継続的に、最初の日から解放に関して綿密な外交が行われた。この過程を経て労働者たちが解放されたことは、トルコにとって本当に重要なことだ。重要な勝利だ。重要な成功だ」と話した。
クルトゥルムシュ氏はこれほど長期間捉えられていた労働者の一人一人に「お大事に」と語りかけ、以下のように続けた。
「彼らの家族の皆さんに、我が国の国民にお祝いを申し上げる。この難事をトルコが無事解決することができたのは、本当に喜ばしいことだ。しかし、今回の誘拐であることがさらに明確になった。残念ながら、我が国の国土では、ほとんど全員が安全な環境にいないということだ。政治的立場にあるわけでもなく、国内外の混乱に何の責任も影響力も持たない労働者である兄弟たちが誘拐され、取引材料に使われる。これはイラクが、その周辺国が、さらにはその他の国々がどれだけ不安定であるかを鮮明に示すものだ。」
■最初の兆しは日曜日に
労働者の解放について最初の兆しは先の日曜日にあった。シーア派民兵が労働者を映したビデオで、まもなく解放されるだろうと述べていた。シーア派民兵は誘拐のすぐ後に公表した最初のビデオで、トルコに対して「トルコを経由したクルドの石油輸出の停止、解放(ファタハ)軍によるシーア派地域フーアならびにカファルヤー包囲の解除を仲立ちすること、そしてトルコ軍のイラクからの撤退」を求めていた。シーア派民兵はフーアとカファルヤーの包囲が解除されたことから、人質を解放したと見られている。
■2人は先に解放
9月2日にヌロル建設がバグダード東部のシーア派が住む地域で進めるスタジアム建設の建築現場を襲撃したシーア派民兵は、18人のトルコ人労働者を誘拐した。シーア派指導者シスターニー師とサドル師は、イラクで労働者を解放するよう呼びかけた。誘拐されたトルコ人のうち、ネジュデト・ユルマズさんとエルジャン・オズピラヴジュさんは、9月16日にバスラで解放された。
■エルドアン大統領から祝辞とねぎらいの電話
レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、トルコのカイマクジュ・バグダード大使に連れられ大使館へたどり着いた労働者のうち二人と電話で話し、ねぎらいの言葉を伝えた。また、エルドアン大統領がカイマクジュ大使に対して賛辞を述べたことが明らかにされた。
エルドアン大統領の指示で、特別機「ANA」がイラクで解放されたトルコ人労働者をトルコへ帰国させるべくバグダードへと飛び立った。
エルドアン大統領が送ったANA機で、トゥールル・トゥルケシュ副首相、メフメト・ミュエッズィンオール保健相、ニハト・ゼイベキジ経産相とファフリ・カスルガ大統領秘書もバグダードへ向かった。15時20分にエセンボア空港を離陸した飛行機は17時20分にバグダード空港に着陸した。
■「恐ろしかった」
トゥルケシュ副首相はバグダードへ発つ前にアナトリア通信社の取材にこう語った。
「この28日間は恐ろしかった。つまり断続的にくるメッセージが良い印象であっても、労働者と連絡を取ることが出来ず、そしてこの待っている時間は、家族にも、全トルコ国民にも、また我々にとっても、心休まらない時だった」と述べた。
トゥルケシュ副首相は人質解放までの28日間について、「我が国は、バグダードで政府関係者やイラクのその他の組織と、大使館をはじめ様々なレベルで交渉を行った。どの集団の仕業か、実行犯は誰でその目的が何なのか理解するために多大な努力が費やされた」と述べた。
トゥルケシュ副首相は解放された労働者らの健康状態は心配ないと述べ、この少し前に2名の労働者が年齢と心臓からくる軽い病気のため解放されたことを指摘した。
トゥルケシュ副首相は労働者らを連れて、夜にかけて自国へ戻ると述べた。
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( 翻訳者:満生紗希子 )
( 記事ID:38787 )