クルシェヒルでHDP関係ビルに放火4件
2015年10月20日付 Hurriyet 紙


クルシェヒル県で、HDP (人民民主主義党)の同県本部とギュル書店などが入っている4棟のビルが全焼し、住宅32棟とビル1棟の一部にも延焼した。この放火事件についてCHP(共和人民党)が報告書を用意し、公務員の度重なる怠慢や無責任さを指摘した。

9月11日、クルシェヒル県入りし、ネジャティ・シェントゥルク知事、商業関係者や被害者らと面会したCHPのネジャティ・ユルマズ国会議員とムラト・エミル国会議員(ともにアンカラ選出)は以下のように報告した。

9月8日のデモ行進を前に、市の公用車は3回アナウンスを行い、市民に「犠牲者を尊び、テロを憎悪するデモ」への参加を呼びかけた。デモは18時から19時ごろにかけて始まり、6~7時間続いた。開始時には約1000人が集まった。

―シェントゥルク知事の説明によると、「ウルキュ(理想)の炉端」と「オスマンの炉端」が記者会見を行うという情報が入っていたため、会見は妨害されることはなかった。HDPの県本部前のみ、「通常の対策の一環」として、一定数の警官らにより安全対策がとられていた。

―トルコ国旗を持ち、手でオオカミの形を作ったデモ隊は、「犠牲者は死なない、国土は分裂しない」とスローガンを叫んだ。集まった人はSNSの影響でまたたく間に5,6000人にまで達した。

―群衆の中に、「市外から来た、誰も知らない」白いシャツを着た人物らが紛れていたとされており、目撃者によれば、彼らは手に持っていた住所のほうへデモ隊を扇動し、以前から狙いを定めた、クルド系左派の住民の所有と分かっていたビルに放火させた。中にはガソリン入りのペットボトルを持った者もいたことが目撃されている。まずギュル書店に火がつけられ、その後、「これでわれわれの用事は片付いた。次はチョルパザルだ」という声が聞こえたという。

―「白シャツの人たち」が誰かを知るものはいなかったが、彼らは「チンピラ集団」の仲間だといわれている。彼らのうちの一人は二日前から、車の上にトルコ国旗を掲げて大通りを走り、民族主義的な侮蔑言葉で中傷した。パトカーが絶えず遠くから監視していたが、実際の介入はなかったという。

―チョルパザルという名のビルは、警備所から70メートルのところにあったのにもかかわらず、警察の介入がなかったため全焼した。
―夜10時にシェントゥルク知事はデモ隊と一緒になって、TOMA(装甲車両)の上に乗り国家を斉唱した。

―これと同様に、警官の多くがデモを容認し、デモ隊を扇動するような態度をとっていたことも明らかにされた。知事は、少人数ではあったが警官らが各地で起きた衝突の間に入ろうとしていたと主張している。
―住民は、TOMAが一台出動していたが、暴動者に向けて警告し、放水するのではなく、ただデモ隊を冷やすために空に向けて放水していたと話している。

―消防隊はギュル書店での消火に遅れて到着した。火災が落ち着こうとしているときに、乱入者が消防車のホースを切ったため、消火活動は始まることなく終了した。ディヤルバクル菓子店に対する暴挙にのみ、警察は催涙ガスを使用した。
―夜12時までデモは続いた。クルド系のビル4棟が全焼、住宅32棟と1棟のビルが焼えた。放火されたビルのうち一棟は犠牲者の親族が所有していたことが分かった。
―事件で2人が負傷、3日後に約20人が拘留され、そのうちの4人が逮捕された。
―報告によると「9月6-7日の事件や、スィヴァス、マラシュ県での殺人に類似しており、公務員による警備が十分でなく、中には怠慢や無関心な態度をとるものもいた」とされている。またクルシェヒル知事のスピーチがこの暴動の激化を引き起こしたと述べられた。

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( 翻訳者:星井菜月 )
( 記事ID:38960 )