ルクソールの土産物市場(Reuters)
■チュニジアとエジプト、深刻な失業問題に直面
【ザカーゥ・ムフリス・ハーリディー】
世界銀行が2013年の調査で強調したところによれば、「アラブの春」を経験した各国の民主主義への転換は、継続的な経済成長を生み出すのには十分ではない。これらの国々の将来を楽観視するには、数百万の求職者に雇用をもたらす経済の覚醒、世界市場との下、商業的につながった強力な民間部門の拡大を通じた盤石な経済成長基盤の形成、さらに国家の支援なしに成長を持続する力が不可欠である。
また同時期に国際通貨基金(IMF)は、「アラブの春」の革命直後に成立した各国政府を批判した。それによれば、同政府は金融・経済改革の実行する力を欠き、金融主権を脅かした他、海外からの支援や資金借り入れへの依存を強める一方で外資流入の機会を制限した。
これらの調査から2年が経過するも、現在も状況に変化は見られない。今日「アラブの春」と呼ばれる政変を経験した最初のアラブ国家で、平和的な権力移行を果たした唯一の国家であるチュニジアも、2年以上に渡り革命を主導した連立政府が経済運営の失敗により続かず、失業率の上昇と財政赤字に見舞われている。
政府に対する民衆の抵抗が強まり、非民主的な方法でその状況を打開する危険が現実味を帯びる中、4つの組織が「チュニジアの呼びかけ」、あるいは「カルッテト」と名付けられた世俗主義連合による市民団体を結成した。同団体は政府、野党間の仲裁に成功し、民主化に向けたロードマップを起草した。西側諸国はこの活動を好意的に受け止め、民主主義への効果的な貢献であるとみなした。というのも、国家が市民の危機に瀕する中、権力移行に向けた政治プロセスを確立したためである。カルテットが2015年のノーベル平和賞を受賞したのも当然といえよう。
(後略)
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( 翻訳者:桑原万苗 )
( 記事ID:39461 )