大学内での新しい礼拝場の建設問題に加え、一部グループが12月22日にバスケットコートで礼拝しようとしたことに端を発し、大学内で緊張が高まっている。同グループは礼拝の自由が無視されていると主張する一方で、他のグループはIS(イスラム国)の思想が中東工科大学を標的にしていると主張している。
「中東工科大学礼拝コミュニティ」に所属する学生らは、予備教育棟にある礼拝所(の広さ)が不十分であると主張し、学長局に新しい礼拝所を要求した。この要求に反対する学生らはと言うと、署名を集めて礼拝所の建設工事を中断させた。礼拝所の建設工事は中断させられ、同コミュニティはこれに対して反応し、12月22日にバスケットコートで礼拝を行い、これが原因で激しい喧嘩へと発展した。
■校門に集まり、支援
諸グループは昨日も中東工科大学の様々な場所で演説を行った。青年公務員組合連盟のメンバーらが、同大学のA1門で「中東工科大学礼拝コミュニティ」に所属する学生らを支援するために集まった一方で、教育組合連盟中東工科大学職場代表、中東工科大教員協会、中東工科大学卒業生の会も大学本部棟の前に集まった。「中東工科大学礼拝コミュニティ」を支援するグループである青年公務員組合連盟会長エユップ・ベイハン氏は、「価値観に向けられる残忍な行為、礼拝の自由を無視する集団的な攻撃、礼拝を行う生徒への暴行にみられるヴァンダリズムに、『もう十分だ』と言うために我々はここにいる。」と演説した。
■モスクと礼拝所がある
大学本部棟の前に集まったグループの名のもとに行われた演説では、具体的に以下のことが主張された。
「中東工科大学には約2000名を収容するモスク、大学キャンパスの寮、図書館、予備教育校舎、総務課のように、人々が密集する様々な場所に礼拝所がある。緊張の根本にあるのは、既存の礼拝所では不十分であること、もしくは主張されているような礼拝の妨害ではない。とりざたされている新しい礼拝所の要求が、必要性を考慮しつついかにして解決されうるかが議論されていたにもかかわらず、IS(イスラム国)の思想が入り込み、挑発的な介入を行っていることである。この洗脳思想は、ここのところ中東工科大学を標的として選んだ。中東工科大学の学生らをIS(イスラム国)流のやり方で、『お前たちの首を切ると言って』脅迫するこの思想は、信仰の隠れ蓑をきている。この挑発は、礼拝所を使い、礼拝所がジハード主義者の組織化に対するスクリーンになっていることに抗議する学生らをも標的にしている。
■『ジズレ市のように侵入された』
『ジズレ侵攻、シロピ侵攻をみるがいい、中東工科大にも同じように侵攻するぞ』と述べる公正発展党(AKP)アンカラ代表アイドゥン・ウナル氏は、中東工科大学の学生に向けられうる攻撃の責任を負うことになるだろう。トロールにより『#中東工科大学の学長をクビにしろ』というタグを用いて始められた企ては、挑発の他の意図をはっきりと示している。この企てが学長選挙の前に重なって行われていることは偶然ではないと我々は考えている。」
中東工科大学卒業生の会会長ヒッメト・シャーヒン氏も「A1門で行われたメディアの会見には中東工科大の学生は、6、7人いただけだった。今回の事件は、外部からの干渉と中東工科大学を弱体化させる方策である。学生たちの反対は、学生たちが礼拝を行うことに対してではない。反対は、IS(イスラム国)寄りの卒業生がここで政治的な宣伝を行っていることに基づいている。図書館の裏にある礼拝所は、このために使われている」と述べた。
■YOK会長から学長に電話 ―容認しがたい―
高等教育機構(YÖK)会長のイェクタ・サラチュ教授は、この混乱を受け、水曜日に学長のアフメト・アジャル教授と会談した。サラチュ教授は一連の事件は望ましいことではなく、対策を講じるようにと求め、ツイッター上で「我々の大学のキャンパスで全学生があらゆる宗教的義務を、『自由で安全な』環境で果たすことができる必要があると私は考えている」と投稿した。
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( 翻訳者:福永千夏 )
( 記事ID:39480 )