イスタンブル共和国検察局のISのトルコでの組織に関する起訴状では、スルチ県とアンカラ県で起きた爆弾テロ事件にも言及された。
イスタンブル共和国検察局のテロ組織犯罪調査部門判事により開始された、ISのトルコでの組織に対する調査が完了した。315ページから成る起訴状には26歳のイリヤス・アイドゥン率いる67名の容疑者が記載されており、その中には現在拘留されている「ハンザラのエブベキリ」というコードネームのハリス・バヤンジュクも含まれる。24名を原告とするこの起訴状では、テロ組織がトルコのアンカラ県、スルチ県での大量殺戮をはじめとする5つのテロを実行したと述べられた。
■「ISは国際的な活動をするテロ組織だ」
起訴状は、まずテロ組織がどのように発生しどのような形で現れたのかということに対する長い文章から始まり、ISは国際的な活動をするテロ組織であるとされた。ISが世界の諸国家の中にあるムスリムの国を壊し、代わりに過激なイスラム原理主義の考え方に基づいて1つの国家をつくることを目的としていること、この枠組みにおいてトルコ共和国国家をも「タウツ」(アッラーが定めた規範と規定の外で統治を行う)国家として認識していることが述べられた。また起訴状で記載された容疑者の一部が、親しい会話による接触にはじまり、その後の精神的圧力と感化によってシリアの紛争地帯に行ったことが明らかになったと述べられている。起訴状では一部の容疑者らがテロ組織の名の下で報道活動に従事していたこと、また一部は窃盗を含むいくつかの犯罪に手を染めていたこと、また一部は紛争地帯と往来する人々のために、医療、宿泊、交通のような必要な面の面倒を見ていたと記されている。
■組織の行動パターン
起訴状では、容疑者らが組織へメンバーを加入させるために宗教的な話をして勧誘していたこと、この勧誘のなかで、子供たちを学校に行かせないようプロパガンダを行っていたとされ、「ウベイデのアブーバクル」というコードネームのイリヤス・アイドゥンをリーダーとする容疑者らの、トルコでの行動パターンについても言及された。組織の行動パターンは以下の形で列挙されている。
「彼らのいうところの「礼拝場」で説法をして人々を紛争地帯へ送ること、テロ組織の名を使って抑圧、暴力、強要、脅迫を行うこと、イスラム国(IS)テロ組織への人員や物資の支援を確保すること、そして、容疑者イリヤス・アイドゥンの主宰する彼らのいう「シャリーア法廷」で、殺人の決定をすること」
■アンカラ県とスルチ県でのテロも起訴状で言及された
起訴状ではISがトルコに対して行ったテロ行為についても言及された。アンカラ県で102名が、スルチ県で32名が亡くなり数百人が怪我を負った爆弾テロがこの行為の中に含まれるとされた。これらだけでなく、モースルの領事館の職員らが人質にとられたこと、またモースルに燃料を運んでいたトルコ人長距離トラック運転手32名が拉致されたこと、ニーデで交通整理をしていたトルコ軍警察への攻撃も含まれる。
起訴状では、彼らは、イスタンブルの、主にギュンギョレン地区とバージュラル地区で活動していたとされ、また容疑者らの間に厳密なヒエラルキーはなく、ただ「先生」の地位にあるという理由で容疑者イリヤス・アイドゥンに敬意が示されており、このためアイドゥンは「組織の首謀者」という罪状により、また他の容疑者らは「組織メンバー」という罪状により裁判にかけるように求められた。
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( 翻訳者:福永千夏 )
( 記事ID:39485 )