仏ISテロ犠牲者エリフさん、給与一部をムスリム奨学金へ寄付していた
2016年01月02日付 Radikal 紙


パリでのISによるテロ攻撃で死亡した129人の犠牲者の一人であるエリフ・ドアンさんは給料の4分の1を、セネガルの大学で教育を受けている3人のムスリムの学生に寄付していたことが明らかになった。イズミルで暮らしている父ケマル・ドアンさんは、娘のためにフランスから支払われる予定の補償金も、同様に貧しい学生への奨学金として寄付すると話した。

フランスの首都パリで、去る11月14日にIS戦闘員が仕掛けた3つのテロ攻撃で129人が死亡、352人が負傷した。パリのテロでは、トルコ系のベルギー国籍者エリフ・ドアンさんもボーイフレンドと一緒にカフェテリアにいた際に死亡した。エリフ・ドアンさんの家族はこの悲報を、1年前に移り住んだイズミルで知り、長い間連絡をとれていなかった娘が亡くなったという知らせを受けて、パリへ赴きエリフさんの遺体を受け取った。エリフ・ドアンさんは、ベルギーのリエージュにあるロベルモン葬儀センターの「バラの間」で執り行われた葬儀のあと、同市にあるムスリム墓地に埋葬された。

■真実は銀行口座の記録から明らかに
エリフ・ドアンさんの相続人ということになった父のケマル・ドアンさん一家は、葬儀後に検察局で法的手続きを開始した。一家は、娘のエリフさんの銀行口座の情報を得て判明した真実に驚愕した。ISのテロで亡くなったエリフさんは、勤めていた会社から支払われた給料2千ユーロの4分の1にあたる500ユーロを毎月定期的に、セネガルの大学で教育を受けている3人のムスリムの学生に奨学金として寄付していたことが分かった。

■補償金も学生のための奨学金に
エリフさんは高校生のときにもセネガルへ行き、いろいろな組織のもとでフランス語の授業をしていた。彼女の家族は、彼女がこのような奨学金援助をしていたことを知らず、テロで失ってしまった娘に関するこのような真実に直面し、悲しみと誇りの気持ちを一度に味わった。まだはっきりと発表されてはいないが、テロで亡くなった人々のためにフランスから3万ユーロの補償金が支払われると言われている。父ケマル・ドアンさんは家族と話し合い、この補償金を貧しい学生のために娘の名で奨学金として分配することを決めた。ドアンさん家族はさらに、ベルギーにいる娘の友人たちの協力のもとで財団を設立する予定だ。設立される財団もまた、エリフ・ドアンの名のもとに奨学金活動を推進することを計画しているという。

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( 翻訳者:金戸 渉 )
( 記事ID:39544 )