■モロッコ:政府と労働組合の激しい対立
【ラバト:ムハンマド・シャルキー】
モロッコの労働組合は、社会団体や労働者代表との合意なく定年を引き上げ、年金を削減する年金法改正についての政府決定に異を唱えている。彼らの意見を代表するものとして、経済、社会、政治、権利にかかわる影響を持った戦略的案件を執行機関が独占するという危険な前例がある。4つの組合は、モロッコの4つの年金基金問題を監督する各勢力の役職が空席となっているために数か月間停止している社会対話の継続を政府が受け入れない場合、ゼネラルストライキに訴えると脅した。
アブドゥルイラーフ・ベン・キーラーン内閣は木曜日、国会両院に提出される法案を承認した。同案は退職年齢を60歳から63歳へ引き上げ、拠出年金割合を20%から28%に増加、そして最後の給与額ではなく、最後の98か月分の労働換算によって年金受取額を減らすものである。政府は同改革を3年にわたって適用し、2022年に訪れると恐れられている債務超過から「モロッコ年金基金」を救済するために、410億ディルハム(40億5,000万ドル)を5年にわたって拠出することを決定した。
次世代が退職年金を受け取るため、2060年に年金基金には5,830億ディルハムの資金が必要になるとされる。上院の財務担当筋が本紙に伝えたところによると、拠出年金額の28%への引き上げは、今後40年間の約1,370億ディルハム、つまり、基金の負債補填に必要な資金24%分を削減するものである。また、年金基金の資金は投資プロジェクトや国債、つまり国民貯蓄や公共投資、また対内負債の基盤への融資に貢献している。
(後略)
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( 翻訳者:田村颯 )
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