大学学長に代わる「局長」任命?
2016年01月20日付 Cumhuriyet 紙

大学で選出された候補者を学長に任命できないことを恐れる高等教育機構(YÖK)は、エルドアン大統領の決定により学長を「局長」のように任命・解雇可能にするため、法改正を計画している。

「平和のための声明」に署名した研究者らをタイイプ・エルドアン大統領が批判し「魔女狩り」が始まった。
議論が続く中、高等教育機構(YÖK)は、学長選挙の廃止に向けて準備を始めている。

エルドアン大統領が平和声明に署名した「平和のための研究者たち」への司法及び政治的制裁を求めたこと、そして大統領に近しい作家らがこうした教員らによる授業やセミナーを禁止すべきと主張したことから、大学の運営に再び注目が集まった。
高等教育機構が整備しようとしている新しい制度は次のようなものだ。
高等教育法における学長選出に関する条項を改正し、三段階から成る従来の「候補者の選出と候補者からの任命」制度を廃止する。もはや学長候補者の選出のために大学で選挙は行なわれない。法律上の学長の定義も改正される。教授から学長候補者になれる者に基準が設けられ、その基準を満たす教授らの中から一定数の人物が(高等教育機構より)大統領府に通知される。大統領は高等教育機構から通知された候補者の中から一人を選び学長として任命する。

■官僚制の歯車
大学における民主主義を断ち切るこの法改正により、大学の学長は、顧問や局長のように官僚的な基準に基づき選ばれる。学長は大統領によって任命され、官僚制の歯車の中で同様に大統領の決定によって解雇されうる。こうして、司法による取り調べを受けていても解雇されないという学長の特権はなくなり、大学での選挙結果が待たれることもなくなる。学長の任命が大学での選挙結果を反映していないという議論も終わりを迎える。6~7月頃の学長選出の前に国会における改正案の可決が計画されている。

■学長のマニフェストを公開
高等教育機構は、学長に任命された者が(大学の運営に関する)マニフェストと計画を記し高等教育機構に提出した書類を一般に公開することを決定した。実際に1月14日に任命されたビレジキ・シェイフ・エデバリ大学、エルジエス大学、ハジェッテペ大学、セルチュク大学の学長らの「学長候補者情報シート」を公開した。高等教育機構の発表によると、これは大学の学生や研究者、事務職員らが、選出前の学長のマニフェストを確認できることを目的としている。学長のマニフェストは、高等教育機構のウェブサイトより閲覧できる。

■高等教育機構は否定
高等教育機構は、我々の報道後に長い声明を出し、我々の報道は事実を反映したものではないと主張した。

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( 翻訳者:篁 日向子 )
( 記事ID:39692 )