ガーズィアンテプで夜半(3日)に4人、翌朝(4日)に5人の計9人を殺害したとされる逃亡中のユスフ・T容疑者が、家族に電話を掛け、 「どくどくと血が流れ、抹殺してやる」と脅したとされる。警察が「非常に危険」と警告し、全域で捜索する同容疑者は、イスタンブルで暮らしており、 給士の仕事に就いていたこと、別居中の妻とよりを戻そうとしたが断られたこと、妻トゥーバ・Tが叔父の息子との結婚を求められていたことで、イスタンブルからやって来て殺人を犯したと言われている。
ガーズィアンテップで警備員として勤務していたユスフ容疑者は、4年前遠縁のトゥーバ・Tさんと結婚した。3年前、夫婦は娘のベリナイちゃんをもうけ、1年前イスタンブルに引っ越した。イスタンブルで給士の仕事を始めたユスフ容疑者とトゥーバさんとの間に不和が生じた。トゥーバさんは、平穏な家庭生活が送れないことから娘を連れ、5ヵ月前ガーズィアンテップに帰郷、ドゥズテペ地区にある叔母シェネル・チャクマクさんの家で暮らし始めた。
■家族全員を脅した
この間、トゥーバさんは、夫であるユスフ容疑者の親族に会い続け、離婚を望んでいると伝えた。伝えられる所によると、ユスフ容疑者のいとこでさえ、トゥーバさんが正しいとした。ユスフ容疑者の親族は、よりを戻そうと仲介を頼んできた同容疑者を批判し、離婚を求めた。
同容疑者は、トゥーバさんに加え親族すら自身に非があるとしたことに憤った。伝えられるところによると、ユスフ容疑者は頻繁に電話で、別れるならばトゥーバさんや彼女を助ける者を殺害すると脅迫した。
■保護を求めるはずだった
親族によると、トゥーバさんに対するユスフ容疑者の脅迫電話は、ここ最近、頻繁に行われた。これに対し、トゥーバさんは親族の助言を受け、離婚訴訟を起こし、保護を求めることにした。
トゥーバさんはその準備を行い、検察に出向き、脅迫を受けているため保護を求めていた、と親族は話す。
■イスタンブルから来て、殺人を犯した
伝えられるところによると、ユスフ容疑者は、あらゆる手をつくしたが妻や親族を説得出来ず、昨日(3日)イスタンブルからガーズィアンテップにやってきた。
電話でトゥーバさんと話し、面会を求めたが断られた。そのため、トゥーバさんと暮らす叔母シェネル・チャクマクさん(39)に電話を掛けた。
トゥーバさんの叔母が面会に応じることになり、ユスフ容疑者は、昨晩(3日)夜半にドュズテペ地区の家に向かった。シェネル・チャクマクさん、息子のアフメト・ジャン・チャクマクさん(16)、叔父の息子トゥラン・Tさん(22)、身元確認中の親族2名、及び娘のベリナイちゃんが居る家で、ユスフ容疑者は妻のトゥーバさんに対し、よりを戻し、また一緒に暮らそうと伝えた。
しかし、申し出が拒否されると、散弾銃でベリナイちゃん以外全員を次々と撃ち始めた。銃撃を受けたトゥーバ・Tさん、トゥラン・Tさん、叔母シェネル・チャクマクさん、アフメト・ジャン・チャクマクさんは死亡、身元確認中の2名が負傷した。
この間、ユスフ容疑者の別居中の妻が叔父の息子との結婚を求められていた、とされる。
■娘だけには銃を向けなかった
ユスフ容疑者は、犯行時に家にいた娘のベリナイちゃん(3)にだけは発砲せず、犯行後に事件現場から逃走した。銃声を聞いた近隣住民の通報を受け警察が現場に到着し、4名の遺体、2名の負傷者を目にした。負傷者が病院に搬送される一方、遺体は現場検証の後、検死のため法医学機関に搬送された。
■捜査中に新たに5人を殺害
警察は、殺人を行ったユスフを全域で捜索に当たる一方、翌朝(4日)、都市中心部より5km離れたサム地区でユスフ容疑者のいとこトゥルカン・Tさんが勤務する絨毯工房に出勤していなことが親族に知らされた。親族は、向かった彼の家の前で血痕を発見し、状況を警察に知らせた。
警察は通報を受け到着し、鍵屋の助けで家の中に入ると、ユスフ容疑者の叔父ムスタファさん(45)、その妻ギュライさん(44)、いとこのトゥルカンさん(20)、フルカンさん(16)、ギュル・Tさん(14)の遺体を発見した。捜査の結果、5名は就寝中に発砲を受け殺害されたことが明らかになった。
■逃走中の容疑者から親族に電話:どくどくと血が流れる
警察は、ユスフ容疑者が9名の殺害を行った可能性を考える一方、この間、同容疑者の家族は個々に警察と連絡を取り、脅迫を受けていると知らせた。
ユスフ容疑者が家族に電話をかけ、「どくどくと血が流れ、抹殺してやる」
と言ったとされる。更に、同容疑者は自身の父に連絡をとり、暴言を吐いたと言われている。
ユスフ容疑者が脅迫を行ったことが明らかになったことを受け、警察は家族たちが暮らす地区に警備を敷いた。
■非常に危険と発表、捜索
ユスフ容疑者は、妻とよりを戻そうとして断られたことで9人を殺害、そして親族全員を脅迫しており、警察は現在、全域で捜索を行っている。
現在まで同容疑者の足取りを掴めておらず、警察は警報を発令している。また、頻繁に無線でユスフ容疑者が銃を携帯しており非常に危険だとして、警報を発令している。現在、足取りの掴めていないユスフ容疑者が可能ならば他の親族も殺害すると懸念されている。
■検死、続く
他方、法医学機関にある9名の遺体の検死が現在続いている。共和国検察官が検死を行っている法医学機関前でも、いかなる事態にも備え厳重な警備が敷かれている。
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( 翻訳者:山根卓郎 )
( 記事ID:39807 )